歯根端切除 治りにくい神経の治療 福岡市南区の患者さま
2019年01月22日
今回は、根の治療後オールセラミッククラウンを取り付けていきました。
下の写真は治療前のものです。写真中央の歯には白い被せ物治療がされています。色は周りの歯と比べやや白いように見えます。歯の表面は削った後が目立ち、歯の表面の凹凸も無くなっています。
レントゲン写真です。被せ物は真っ白に写っています。この歯は以前に根の治療がしてあります。根の中には白っぽい薬が入っているのが分かりますが、根の先まで薬が入っていないように見えます。少し分かりづらいですが、根の先の部分はやや黒みがかって見えます。根の治療がうまく行っていないと根の中で細菌が繁殖して周りの骨を少しずつ溶かしてしまうことがあります。この歯もそのようになっており、根の先で膿の袋ができほっぺた側を圧迫していました。
今回は被せ物を外し、まずは根の治療を行うこととなりました。被せ物を外すと中には金属の土台が入っていました。
金属の土台も除去していきます。
土台を除去し終えました。歯の根に続く穴が空いています。
根の治療を行う前に歯の高さを確保するため樹脂を盛り足し固めていきます。
歯の高さが不十分だと写真のように緑色のラバーダムシートがかけれません。シートをかけずに根の治療をすることは可能ですが、治療するたびに細菌を含む唾液が中に入っていくため予後が悪くなります。
根の中の清掃を行い、最終的な薬を入れていきました。
レントゲン写真です。白く見えているのが新しく入れた薬です。
根の治療後は樹脂で蓋をしていきます。
根の治療は終わりましたが、歯茎の腫れは少し残り違和感もありました。歯の根の中は複雑な形をしており全ての細菌を除去することは難しいです。今回は歯根端切除という治療を行い、細菌感染したところを取り除いていきました。
麻酔を行い歯茎を開いたところです。歯茎の下には骨が見えています。骨の表面をよく見ると穴が空いているのが分かります。この穴から膿が出ていき歯茎を圧迫していました。
穴の部分から器具を入れ、感染部位を除去します。
歯の根の先は切り取り、切り口から特殊な薬を詰めています。鏡に映っている白い部分が詰めた薬です。
歯茎を元の位置に戻して縫合をしています。
レントゲン写真です。左の根の先が短くなっています。この状態で間を空けて治癒を待ちます。
数ヶ月たち、歯茎の状態も元どうりになっています。
レントゲン写真です。歯の根の先にあった黒い影は薄くなっており治癒が確認できました。
歯の形を整え被せ物を作る準備をしていきます。歯の周りに黒っぽい糸を入れています。
その上から紫色の糸を入れています。こうすることにより、型取り材が歯と歯茎の隙間に入りやすくなり、より精密な型取りが行えるようになります。
型取りしたものの写真です。精度の高いシリコーン製の型取り材を使用しています。
この型取り材に石膏を流し込み模型を作ります。
この模型にあった被せ物を技工士さんに作っていただきます。
できた被せ物を取り付けしたところです。歯の色は周りの歯と馴染んでいます。形は歯が本来持っているような凹凸を再現しています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×2(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。