過去の院内新聞 平成28年4月号
2017年05月8日
さあ、新年度が始まりましたね。
1年で一番ウキウキする時期です。色んなものが輝いて見えますよね。
こんな時期は是非笑顔で過ごしたいものです。
最近、歯科の講演などを聞いていると、『頑張って治療したけど抜歯になってしまった』という話をよく聞きます。
理由は歯が割れて抜歯が必要になってしまうのです。それらの歯は決まって神経がありません。
神経がない歯は、いずれ歯が割れて抜歯になってしまう可能性がとても高いのです。
そして、日本人のお口の中には神経の治療をしてある歯が異常に多いのです。
それでは何故神経の治療をしてある歯が多いのでしょうか。
それは、歯医者さんがあまりにも簡単に神経を取ってしまうという土壌が日本にはあるのです。
以前は(今もそうかもしれませんが)『歯医者は痛い所』というのが多くの人の共通認識でした。
削ることが仕事の大部分だったので、削るときには痛みを伴います。
痛みがあると、歯科医、患者さん共に苦痛です。
そこで、『神経取っておきますね。これで痛みがなくなりますよ』というのが双方楽な解決策だったわけです。
現在は違反ですが、以前は便宜抜髄という名の『痛まないために前もって神経取っておく』ということが普通に保険治療で出来たのです。
全然深くない虫歯でも、『痛みを感じさせないために神経を取る』という治療が、普通に行われていました。
しかし、今は神経まで虫歯が届いてないと神経を取ることは出来ません。
しかし、今でも昔の名残でほとんど虫歯がないのに『虫歯が深い』ということにして神経の治療が行われることも少なくありません。
日本では神経の治療にかかる費用は健康保険の3割負担で数千円です。
海外では10万円単位です。
いつ神経を取ったか覚えてないという方がとても多いのは、費用の事も関係してるのではないでしょうか。
10万円も費用がかかれば覚えていておかしくありません。
これも安易に神経の治療がなされる原因の一つかもしれません。
結果的に抜歯になるとインプラントすると数十万円かかるし、入れ歯だと噛みにくいというになります。
なるべく神経は安易に取らない事をお勧めします。