過去の院内新聞 平成29年3月号
2017年05月29日
皆様、こんにちは。長かった冬が終わり暦の上では春がやって来ました。
今月後半には桜が咲く時期になりますね。
さて、今回3月3日より8日までアメリカのアリゾナで研修を受けて来ました。
昨年の5月に研修を受けた場所と同じ場所なのですが、世界の歯科治療の最先端の教育を受けられる施設です。
前回研修を受けた際もカルチャーショックを受けたのですが、今回はその何倍も驚きました。
今回は講義を受けるだけでなく、実際に診査や手技の実習を行い、あちらの先生と歯科治療について議論をして来ました。
そこでわかったのは、アメリカの治療は日本の治療と大まかな流れは同じなのですが、
そこに至るまでの診査診断基準というのが、圧倒的にアメリカの方が進んでいます。
そもそも国民の歯に対する意識が相当に高く、
その期待に応えるべくして歯科医療はどんどん発達しています。
日本の現在の歯科治療は30年ほど前にアメリカから入って来て、それなりに発展していますが、
それを行なっているのは一部の歯科医師だけで、
一般的には6〜70年前の治療のまま現在も行われているのが現状です。
歯科治療に真摯に取り組む歯科医師の数が非常に少なく、
お口の健康の大事さを皆様にお伝えできず、なかなか良質な歯科医療が受けられないのが実情です。
勉学に取り組む歯科医師の数が少ない事で、その先生たちが一生懸命頑張ってもアメリカの歯科医療にはどんどん差をつけられて行ってしまっています。
例えば噛み合わせの診査・治療を行う際、私たちが日本で行っている方法は、すでにアメリカではすたれてしまい、とっくに新しいやり方に置き換わっていました。
そしてその方法の方が正確で、治療としても随分速く治療が終われる様になっています。
この様な例以外でも様々な所に差がついている所がありました。
しかし今回、実際自分が行なっている歯科治療をアメリカの先生に見せ、
話し合いをしたの方がですが、細かい手技などは向こうの先生も目を見張るほど驚いていました。
やはり細かい治療は日本人は得意の様です。
でも細かい所に集中してしまって本来押さえていないといけないポイントを見過ごしている様で、
結果として治療に時間がかかったり、治療を終えても長持ちしなかったりしてしまうのは残念なことです。
今回研修を受けた事で、より良い歯科医療を皆様に提供していく様努めます。
また、日本の先生方にも今の歯科医療の現状を伝えて行かなければならないと感じております。