2018年01月30日
今回は、前歯の審美歯科治療を行いました。
治療前の写真です。前歯4本を拡大して撮影しています。奥の方の歯の色と比べると色が白すぎるのが目立ちます。また、歯茎の際の部分は被せ物との隙間ができており、治療をした歯だとすぐに分かってしまいます。
やはり見た目が気になるとのことだったため、この4本の歯の治療を行なっていきました。
まずは今入っている被せ物を外していきます。被せ物はセメントでくっつけてあるのですが、外してみるとそのセメントが黒く汚れてしまっているのがわかります。被せ物に隙間、段差があるとそこから汚れが入り込み、セメントがボロボロになったり虫歯になったりします。
周りの汚れ、虫歯を取り除き、歯の形を整えていきました。
歯の形を整えた後は、仮の歯を作っていきます。問題なければ次回来院時に型取りを行なっていきます。
型取りを行う前に歯の色合わせを行なっていきます。周りの歯の色を参考にしてどの様な色にするかを決めていきます。この操作をシェードテイキングといいます。歯の色を決める操作のためとても重要です。
精密な型取り材で歯型を取ります。
歯型を元に歯の模型を作ります。
この模型に合わせて被せ物を作成します。
この様な被せ物ができてきました。
模型に合わせているところです。歯の色の判断は模型ではできませんが、歯の形は問題なさそうに見えます。
お口に中に取り付けを行いました。歯の色、形ともに問題ありません。治療前とは違い、被せ物とは判断しにくく、治療跡がわからない様になっています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×4本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年01月23日
今回は、精密根管治療を行い、オールセラミッククラウンを被せた症例です。
写真中央の歯には白い被せ物が入っています。この歯はすでに神経の治療がしてある歯です。その神経の治療があまりうまくいっていないため、根っこの先にはばい菌の塊ができ、周りの骨を溶かしていました。再度神経の治療を行う必要がありました。
噛み合わせの面から被せ物に少しづつ穴を開けます。中に少し色が異なるところが見えます。中の土台が見えているのです。
さらに穴を深くしていくと、根っこの中に入れたオレンジ色の古い薬が見えてきます。神経の治療を行う場合、上の被せ物は全て外すことがほとんどです。しかし被せ物を外してしまうと写真の様にラバーダムを使い治療するのが難しくなります。ラバーダムを使用しなければ精密な根管治療はできないため、被せ物は全て外さずに必要最小限の穴だけを開けて治療していきました。
オレンジ色の古い薬を取り、根の中の汚れを除去しています。根の中は複雑で細いため肉眼でなかの状態を把握するのは困難です。マイクロスコープと呼ばれる顕微鏡を使用しながら治療をすることにより根の中を直接見ながら治療を進めることができるため、精度が高くなります。
根の中の汚れがなくなったため、新しい根の薬を入れていきます。
穴を開けた部分に蓋をして、根の先にあるばい菌の塊が小さくなるのを確認します。この蓋自体、周りの被せ物にしっかりとくっついているわけではないため、根の状態が改善したことを確認し、新しい被せ物治療を進めていく必要があります。
数ヶ月様子を見ていき、根の先のばい菌の塊は小さくなっています。新しい被せ物治療を進めていきます。
古い被せ物を全て外します。
歯の形を整えて、新しく作成するオールセラミッククラウンが入る様にしていきます。
型取りを行なっていきました。シリコーン製の型取り材を使用しています。
今回は二つの種類の型取り材を使用しました。これらの型取り材から模型を作り、被せ物を作っていただきます。
被せ物ができました。
内面はこの様になっています。
実際に取り付けを行いました。最初に入っていた被せ物と比べ歯の形態や噛み合わせの面の形態は、天然の歯に近くなっています。しっかりとした根の治療を行なっても、上から被せる被せ物の精度がよくないと、汚れが入り込み根の状態も悪くなります。今回被せたオールセラミッククラウンは精度も高く、汚れが入り込む隙間はないため再治療になる可能性は低くなっています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年01月20日
今回は、奥歯の治療です。
写真中央の歯には銀の被せ物が入っています。この銀の被せ物は縁の部分に隙間が多く見られたため、被せ物を外し治療を行うこととなりました。
被せ物を外したところです。隣の歯との隙間には汚れがたまっています。中の歯自体も黒く変色し、虫歯になっていそうです。
まずは色が変わっていますが、銀色の土台を歯から取り除きました。中はこの様に真っ黒です。この黒い部分が全て虫歯というわけではないですが、虫歯になっているところもあるため、染色液で虫歯を染め出し取り除いていきます。
中央に見えるオレンジ色の部分は、歯の神経の中に詰める薬です。ガチッと固まっているのが理想ですが、表面はぼそぼそになっています。この部分も取り除きます。
虫歯とぼそぼそになった神経の詰め物を取り除きました。まだ黒い部分は残っていますがこれ以上歯を削る必要はありません
今度は新しい土台を歯に取り付けます。ダイレクトボンディングを行い歯に直接土台を作っていきました。白い部分が新しく入った土台です。
被せ物が入る様に形を整えていきます。
歯の周りに糸を入れか型取りの準備を行います。糸を入れることで型取りがより精密に行えます。それにより出来上がってくる被せ物の精度も向上するのです。
」
型取りしたものの写真です。より細かく型取りできるシリコン製のものを使用しています。
この型取り材に石膏を流し込み模型を作成し、被せ物を作っていきます。
被せ物を取り付けました。歯の形は、細かい溝や凹凸が再現してあり本物の歯に近い形になっています。銀の被せ物の時の様な隙間はないため、汚れがたまったり、黒い虫歯にはなりにくくなっています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年01月16日
今回は前歯の被せ物治療を行なっていきました。
上の前歯はすでに被せ物治療がしてあります。
拡大して観察すると、被せ物の縁の部分と歯茎の間に隙間があり、茶色くなった歯が見えています。これでは被せ物だとはっきり分かり見た目もよくありません。隙間も大きいため放っておくと虫歯が進行する恐れがあります。今回はこの前歯の治療を行なっていきました。
前歯の被せ物を外したところです。左の歯が一本ありません。中央の歯二本に被せ物を行い、左の歯がない部分にはダミーの歯を伸ばす延長ブリッジという形になっています。
被せ物の下の歯は黒っぽい虫歯になっており、汚れがたまっているのも分かります。
まずはしっかりと汚れ、虫歯を取り除きます。その上で被せ物が入る様に形を整えました。右の歯のふちには少し黒い部分が残っていますが、この部分は虫歯菌には感染していないためそのまま形を整えています。
形を整えると、型取りを行なっていきます。型取りの材料にも様々あり、精度も良いもの悪いものとあります。精度の良くない型取り材を使用すると、結果的に被せ物がカタついたり歯茎の部分の隙間が改善されなかったりということになります。それを防ぐため精度の高い型取り材を使用しました。下の写真は、型取りしたものに石膏を流し込み作成した模型です。
模型に会う被せ物を作成していただきました。
実際にお口の中に取り付けしたところです。歯の縁の段差はしっかりと改善されています。歯の形も変わりより被せ物だと分かりにくくなっています。
この方は治療後に上と下の歯のホワイトニングを行なっています。前歯の被せ物自体をやや白めに作成し、その色に合わせて周りの歯の色を白くしていきました。治療前の写真と見比べると前歯の見た目が改善しただけではなく、周りの歯の色も変わっているため全体が明るくなっています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×3本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年01月13日
今回は、歯の根の治療後にオールセラミッククラウンを被せていきました。
下の写真は治療前の状態です。中央の歯には銀の被せ物がしてあります。歯の根っこの状態が良くなく、根の先には汚れがたまり腫れていました。
根っこの治療を行うためには被せ物を外す必要があります。外すと土台が見えてきました。
土台を取り除くと歯の根っこの穴が見えてきました。虫歯もしっかりとっていきます。
レントゲンの写真です。歯の根っこの先を見ると、先が黒っぽくなっているのが分かります。根の先に汚れがたまっているとこの様に写ります。
外した銀歯を仮の被せ物として使用しています。
今回は普段行なっている根の治療では腫れが治らなかったため、歯根端切除術という方法で治療を行なっていきました。
歯茎を切り、骨を露出させます。歯の根がある部分に穴を開け、根の先を削り取ります。こうすることで直接汚れを取り除けるため、治癒する可能性が高くなります。
この様に糸で縫い合わせて傷の治りを待ちます。
レントゲンの写真です。歯の根の先がなくなっています。この部分は空洞になっているため一時的に黒さが目立っていますがしばらく経てばだんだんと薄くなっていきます。
傷口は元どうりになっています。歯茎の部分にあった腫れもなくなっています。
レントゲンの写真です。やや黒っぽい影は残っていますが、治癒傾向にはある様です。症状もなくなったので被せ物治療を行なっていきました。
被せ物をつけるために土台を取り付け形を整えていきます。
型取りの際は、この様に糸を歯茎の隙間に入れていき精度を高めます。
型取りしたものの写真です。この型取り材に石膏を流し込み、模型を作成していきます。
できた模型です。この模型似合う被せ物を歯科技工士さんに作成して頂きます。
出来上がったものを合わせています。
横から見たところです。
隣の歯ともピタッとあっています。この被せ物を実際に取り付けしていきます。
取り付けをしていきました。歯の色、形はごく自然に見えます。
横から見たところです。隣の歯との隙間も問題ありません。歯茎の際の部分にも段差がないため汚れもたまりにくくなっています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年01月10日
今回は、銀歯の下で広がっている虫歯の治療を行いました。下の写真の真ん中の歯には銀歯が入っていました。その銀歯を外すと、歯のふちの部分から黒い虫歯になり、汚れがたまっているのが分かります。
まずは虫歯になっている部分だけをしっかり取り除いていきました。歯のふちの黒い部分だけでなく、他の部分でも虫歯は進行しており、取り除いたことにより歯自体が小さくなった様に見えます。
今回は、この歯にセラミックの被せ物治療を行なっていきました。虫歯を取り除いたことにより、歯自体は小さくなっており段差も大きいためこのままでは被せ物治療を進めていくことはできません。まずはダイレクトボンディング治療を行い、歯の形を整えていきます。
ダイレクトボンディング治療で歯の形を整えていきました。緑色の幕はラバーダムシートというものです。ダイレクトボンディングで使用する白い樹脂(コンポジットレジン)と歯をしっかり接着させるには水分が歯の表面に付着していないことがポイントになってきます。
お口の中は唾液や呼気で常に湿度が高い状態なのでどうしても歯の表面に水分が付着してしまいます。しかし、ラバーダムシートを使用するとそういった水分が歯に付着することを防ぐことができるため、高い接着力に期待できます。
ダイレクトボンディングを終え、被せ物が入る様に形を整えていきました。凸凹はないシンプルな形になっています。
型取りを行う前に、歯の色を調べていきます。周りの歯の色を参考にして被せ物の色を決めていきます。
歯と歯茎の間に糸を入れています。この糸は、型取りの時に歯の形がよりはっきりとわかる様に入れています。紫色の糸の下には黒い糸が入っています。型取りの瞬間に糸を外し型取り材を流し込みます。
横から見たところです。歯をこの様な形にしています。
型取りを元に作成した模型です。
この模型に合わせて被せ物を作成していただきます。この模型と本当のお口の中がずれてしまうといくら精密に被せ物を作ってもいざお口の中で合わせるとズレているということになります。型取りは治療の制度を決める大切な行程なのです。
模型を横から見たところです。
できた被せ物を入れてみるとこの様になります。
実際にお口の中に取り付けを行いました。
形や色合いも問題ありません。
横から確認すると、隙間や段差はありません。二次的な虫歯になる可能性は低くなっています。
セラミックオンレー
費用16万5千円
リスクとして歯を削る量が多いため痛みが出る可能性と強い力によって割れる可能性がある。
2018年01月6日
今回は、歯の変色を元の白さに戻す治療です。
下の写真は治療前の写真です。左側の前歯は、反対側の歯と比べると色が茶色がかっているのが分かります。今回はこの歯の色を戻す治療を行いました。
この歯が茶色くなったのは、歯の表面の変色や汚れが付着したからというわけではありません。歯の表面の変色や汚れが原因で歯の色が変わった場合、適切な清掃やオパールストラを使用すると色の改善に期待できます。しかし今回の場合は、色の原因は歯の表面ではなく、もう少し内側のところにあるのです。
この変色した歯は以前神経の治療を行なっています。虫歯や強い衝撃を受けることにより歯の中の神経が痛んだり死んでしまったりすると神経の治療が必要になります。治療の際、神経の成分が歯の内側の象牙質という層に染み込むとこの様に色が変色してしまうのです。
元の色に戻すには、変色した象牙質を白くする必要があります。ウォーキングブリーチという方法で治療を行います。
歯の裏側から象牙質の部分に特殊な薬をいれて蓋を行います。下の写真は約1週間後の写真ですが、治療前の写真と比べると色が白くなっているのが分かります。
反対側の歯と比べるとまだ茶色く見えるため中の薬を新しいものに交換し、経過をみていきます。
さらに1週間後です。色はほとんど問題なくなっています。中の薬を取り出し、裏側に開けた穴を塞いでいきます。
鏡で見た裏側の写真です。左側の前歯が治療を行なった歯です。裏側に穴を開けて治療していましたが、ほとんどわからない様になっています。色も問題なさそうです。
ウォーキングブリーチ
費用 6万6千円
デメリットとして若干の色の後戻りが起こる可能性がある。