2017年05月30日
今回は、前回に引き続き、深い虫歯になっている歯を
ダイレクトボンディングで治療した症例です。
治療前の状態です。
中央の歯には銀の詰め物が入っています。写真だけでははっきりと
分かりませんが、詰め物の下は虫歯になっているようです。
銀の詰め物を外し虫歯を取り除いていきます。
虫歯は深く、神経近くまで進んでいます。
さらに虫歯を取っていった写真です。
歯に黒い穴が空いているのが分かります。ここに歯の神経が
入っています。
前回の症例でも虫歯は神経と交通していました。
通常、神経まで虫歯が進んでいる場合は神経を取る治療が必要になります。
前回の症例では特殊なお薬を使い神経を残すことができましたが、
今回の症例ではその治療はできませんでした。
これは前回の症例の写真です。
同じように虫歯が神経と交通していますが、
こちらの写真では血が出ているのに対し、今回の写真では血が出ていない
ことが分かります。
神経が生きていると穴からは血が出ることが多く、神経が死んで
しまっていると血は出ないことが多いのです。
前回の症例では神経が生きていたため保存できましたが、
今回の症例では神経は死んでしまっています。
そういった場合、神経の治療が必要になります。
神経の治療ができるように形を整えました。
神経の穴をしっかり綺麗にして根の中に仮のお薬を入れます。
痛みなど問題ないことを確認したのち、
根のお薬を仮のお薬から最終的なお薬に置き換えました。
最終的なお薬を入れてから痛みが出ることもあるため
痛みの確認をしましたが、問題なさそうです。
ダイレクトボンディングを進めていきます。
歯の形をセロハンの膜で作ります。
様々な器具を使い理想的な形を作ります。
樹脂で歯の形を作っていきました。
噛み合わせの調整、研磨が終わったところです。
隙間もなく色も綺麗にできています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2017年05月27日
今回は深くまで虫歯が進行している歯をダイレクトボンディングで
治療した症例です。
治療前の写真です。
写真中央の2本の歯には虫歯が広がっています。
ラバーダムシートをお口にかけてから虫歯を取り除いていきます。
虫歯を取り除いていくと、歯の中の神経と交通していました。
通常、このように虫歯と神経が交通していた場合、歯の神経を
とる治療が必要になります。
今回は神経を取る治療は行わずに、特殊なお薬を使い治療しました。
神経を取ってしまうと、歯自体に栄養分を供給できなくなります。
そうなると徐々に歯は脆くなっていき、最後には割れてしまいます。
歯が割れてしまうと抜歯するしか方法はありません。
そうならないためにも、歯の神経をできるだけ取らずに治療する
ことは重要です。
次に虫歯をとることによってできた大きな穴を埋めていきます。
歯の形を再現するためセロハンの膜を使い埋めていきます。
詰め物で埋めた後の写真です。
噛み合わせを調節し、研磨をした後の写真です。
歯の形、溝、色など再現されています。
今回は2回に分けて治療しました。
先に治療したところは痛みもなく、経過は良好です。
前回と同じように虫歯を取り除いていきます。
こちらの歯も虫歯は大きいですが、神経との交通は
ありませんでした。
歯の間にある金属の板は、横の歯を傷つけないようにするために
入れています。
虫歯を取り終わると詰め物で埋めていきます。
同じようにセロハンの膜を使用していますが、
精密に歯の形を作るため、綿やゴム製の楔などの器具を
駆使しています。
詰め物で埋めた後の写真です。
噛み合わせを調節し、研磨を行いました。
深い虫歯をしっかりと取り除き、精密に詰め物をすることが
できました。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2017年05月23日
今回は歯茎近くまで進んだ虫歯をセラミックインレーで治療した
症例です。
治療前の写真です。
写真中央の歯に虫歯があるのですが、上からでは分かりません。
奥の方から見てみると、黒い虫歯が見て取れます。
この方は虫歯の治療前に親知らずを抜歯しています。
歯の奥に見える歯茎の陥没は、親知らずの抜歯によるものです。
現代人のアゴの大きさは大昔の人々と比べると小さくなっています。
食生活が大きさに関係しています。
アゴが小さくなっている現代人で、親知らずがまっすぐキレイに
生えている方はあまりいません。
生えてこない方もいますし、斜めや横を向いて生えている方もいらっしゃいます。
今回の虫歯の原因は横向きに生えた親知らずです。
まっすぐ生えない親知らずは汚れを取りにくく、虫歯になるリスクを
高めています。
虫歯を取り除いていきます。
かなり深いところまで虫歯が進行しているのが分かります。
虫歯を取りきり、ダイレクトボンディングを行います。
歯の横に見えるチューブは唾液や呼気を吸い取るものです。
これが終わるとインレー(詰め物)の形を整えていきます。
型取り後作成したセラミックインレーを取り付けました。
隙間はないため、二次的な虫歯になることはありません。
セラミックインレー
費用11万円
リスクとして歯を削る量が多いため痛みが出る可能性と強い力によって割れる可能性がある。
2017年05月20日
今回は、前歯をセラミッククラウンとラミネートベニアで治療した症例です。
治療前の写真です。
前歯にはすでに樹脂の詰め物がしてあります。
しかし、段差が目立ち、隙間には汚れが入り込んでいます。
治療の範囲も広いため、同じ樹脂の詰め物の治療は難しそうです。
患者さんと相談し、今回はセラミックの被せ物とラミネートベニアで治療することと
なりました。
まずは型取りを行い、お口の中の模型を作成しました。
その模型に白い蝋を盛っていき、最終的な歯の形を
決めていきます。
最終的な形が決定すると、今度はその模型を型取りします。
作成した型取りは、歯を削っていく際、どれくらい削ればいいかの
指標となります。
被せ物にはそれぞれ適切な厚みが必要です。
ここでの歯と型取り材の隙間が被せ物の厚さとなるので、どこを
どのくらい削る必要があるかすぐに分かります。
逆に、必要以上歯を削ることを防ぐこともできます。
形を整えると、歯の色を決めていきます。
ここでは仮の歯が入っています。
精密なシリコーンで型取りをします。
一般的に使われる型取り材は変形が多いですが、このシリコーンの
型取り材は変形がほとんどありません。
型取りから作成した口の中の模型です。
この模型に合わせて被せ物を作っていきます。
中央の二本は歯をぐるりと削っているのに対し、横の二本はほっぺた側のみ
削ってあるのが分かります。
中央の二本はクラウン(被せ物)が入り、横の二本にはラミネートベニアが
入ります。
歯科には様々な材料、修復物がありますが、
どの治療を選ぶかにより削る範囲や、形が異なります。
出来上がった被せ物とラミネートベニアを取り付けた後の写真です。
真ん中2本がジルコニアのセラミックです。
その隣のラミネートベニアがe-maxのセラミックです。
色、形ともにお口の中と調和しています。
オールセラミッククラウンおよびラミネートベニア
費用 18万7千円×4本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2017年05月16日
今回は、前歯の隙間を修復した症例です。
治療前の写真です。前歯の隙間が目立ちます。
どういった治療が必要なのか、まずは、この歯の型取りを行い診査診断
を行います。
型取りを行い作成した、お口の中の模型の写真です。
前歯の隙間に樹脂を盛り足していき見た目を改善できるかどうか
見ていきました。
模型の隙間を埋めているのは白い蝋です。
ここでは隙間を埋めるだけの治療で、見た目を改善できると
診断しました。
この模型をさらに型取りしていきます。
模型を型取りしたものです。
今度はこの型取り材をお口の中に合わせていきます。
模型は蝋で理想的な形になっているため、歯と型取り材の間には
隙間ができます。
ここでできた隙間を埋めていくと、模型と同じ理想的な形に
なります。
まずは真ん中の歯の隙間を埋めていきます。
青い型取り材に従い、樹脂で形を作ります。
次に横の歯も同じように樹脂で形を作っていきます。
青い型取り材を外して、噛み合わせの確認、研磨を行いました。
歯の隙間が目立たなくなったのはもちろんですが、
隙間を埋める際、使用した樹脂も歯の色に近いものを選んでいるため、
歯と樹脂の区別もつかないようになっています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円×4本
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2017年05月13日
今回は、抜歯適応の歯を保存しセラミックの被せ物で治療した症例です。
治療前の写真です。
歯の頭の部分が取れ、歯茎の下まで虫歯になっています。
虫歯により歯の頭の部分が無くなってしまっている状態はC4と分類
されます。
本来はC4に分類される歯は抜歯の適応ですが、今回は矯正で歯を伸ばして
抜歯を避けました。
まず虫歯を取り除くました。
歯茎よりも下の方まで虫歯が広がっていました。
このままでは被せ物はできません。
虫歯を取り除いたあとの写真です。横から撮影したものです。
被せ物をするには、歯茎よりも高い位置に歯が出ている必要があります。
そうしないと歯が割れやすくなってしまうからです。
奥の方は歯茎の中に歯が埋もれています。
被せ物をするには歯を引っ張りだす必要があります。
今回はエクストルージョンという方法を選びました。
両サイドの歯にワイヤーをはり、そこにゴムを掛けて引っ張りあげる
方法です。
そうすると少しずつ歯茎の中から歯が引っ張りだされていきます。
この写真では、今まで歯茎の下に埋もれていたところも
引っ張りだされて被せ物をすることができるようになっています。
エクストルージョンの器具を外し、被せ物をつけるための
土台を入れ、形を整えた後の写真です。
歯茎よりも高いところまで歯が出ているため割れるリスクは低く
なりました。(フェルールの獲得)
セラミックの被せ物を入れた後の写真です。
どこが治療した歯か分かりません。
抜歯適応の歯をなんとか保存することができました。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
矯正的挺出
費用 3万3千円
矯正器具が必要
クラウンレングスニング
費用 3万3千円
外科的な処置が必要となる
2017年05月9日
歯の変色を治療した症例です。
右の前歯は他の歯と比べて変色しているのが分かります。
この変色した歯はすでに神経の治療がされています。
神経の治療をした歯には度々こういった変色が見られることがあり、
こういった神経のない歯の変色に対する治療をウォーキングブリーチと
いいます。
ウォーキングブリーチは神経の治療をした際に開けた穴
(この場合は歯の裏側に穴があります)に漂白剤を入れ、約1週間ほど
期間を置きます。1週間経つと色の確認を行い、治療を続けるかどうか
判断します。
歯の裏側から漂白剤を入れて1週間後の写真です。
以前と比べると変色が目立たなくなっていますが、もう少し
周りの歯に合わせたいので漂白剤を入れ替え治療を続けました。
1週間後の写真です。
ほとんど周りの歯との色の違いはないよう見えますが、
歯茎近くの色を比べると、もう少し黄色がかっているようです。
さらに漂白剤を入れ替えました。
色の違いは目立たなくなっています。
歯と歯の間には古い詰め物がしてあったため、やりかえを行いました。
どこの歯を治療したのか分からないくらい違和感がありません。
漂白剤を入れていた穴にも詰め物を行い、治療終了です。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2017年05月6日
今回は、問題なさそうに見えても中で虫歯が広がっていた症例です。
この写真だけ見ると、黒く変色している所や、欠けている所はありません。
一見問題なさそうに見えます。
少し歯を削ったところです。
問題なさそうに見えていた歯の下には、黒い虫歯が広がっていました。
さらに虫歯を取り除いていったところです。
虫歯は歯茎の際のところまで進行していました。
よく見ると、隣の歯も虫歯になっています。
虫歯を全て取り除いたところです。
虫歯が残っていると赤く染まる染色液を使い、取り残しがないことも
確認しています。
手前の虫歯も大きいですが、奥の歯の虫歯も大きかったことが分かります。
緑色のシート(ラバーダム)を使い、詰め物をしている写真です。
本来の歯の形を再現するために歯の間にセロハンの膜を挟み、
その膜を輪っかで歯に圧接させています。
セロハンの膜どうりに詰め物をしていき、本来の歯の形を
作った後の写真です。
歯は乾燥すると、通常より白くなります。詰め物をした直後は
色の違いが少し分かりますが、時間とともになじんでいきます。
詰め物の隙間はありません。
ラバーダムを外して、噛み合わせを調整し磨きあげた後の写真です。
ここまで治療すると、詰め物の隙間から二次的な虫歯になることも
ありません。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2017年05月2日
銀歯を外して、ジルコニアの歯にやりかえをした症例です。
奥から二番目の歯には銀歯が入っています。
表面には傷が入っており、歯が本来持っている噛み合わせのデコボコも
すり減っているのが分かります。
銀歯を外した際の写真です。銀歯の下は虫歯になっています。
虫歯を取り去り、土台を立てジルコニアの歯が入る形に削ります。
歯の周りに見える黒いスジはより正確に形を整えることが出来るように
入れた糸です。歯の周りの歯茎を押し広げる作用を持っています。
今回はジルコニアという素材でやりかえました。
この写真はジルコニアの色を決めるために撮影しています。
出来るだけ周りの歯と同じ色を選び撮影しています。
この写真を元に技工士さんに被せ物を作っていただきます。
精密に形を整えても、その形がきちっと技工士さんの元に届かなければ
意味がありません。
この写真は型取りをしたものの写真です。
シリコーンでできた型取りの材料を使っています。
シリコーンの型取り材は精密で形が変形しにくいのが特徴です。
型取りを元に出来上がったお口の中の模型です。
この模型はお口の中の完全なコピーとなるわけです。
この模型にしっかりと合う被せ物を作れば、お口の中でも
ピタリと合います。
出来上がった被せ物(ジルコニア)を取り付けた後の写真です。
色は周りの歯と調和しており、噛み合わせの面は歯が本来持つべき形
となっております。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。