前歯の難しいインプラント治療 左右対称で見分けがつかない自然なインプラント
2021年08月21日
前歯のインプラント治療は大変難しく
術前のシビアな診断と
繊細な治療が求められます。
前歯の長さや幅などが
ともに左右対称でないといけません。
また歯の形、色、凹み等、
年齢や生活習慣によって変化した歯を
再現しなければなりません。
これには、術後のお口の中を
完全に予測できる想像力(診断力)と
想像した通りに治療できる技術が
絶対に必要となってきます。
今回は、残念ながら右上の前歯を
抜歯しなくてはならなくなった方について
お話ししていきます。
下のお写真ですが、術前と術後です。
右上の前歯を抜歯して
インプラント治療をしています。
ほぼインプラントで治療しているとは
わからないのではないでしょうか。
前歯には神経の治療がしてありました。
この歯にヒビが入ってしまっていて
残念ながら抜歯が必要という状況でした。
レントゲン写真の術前術後です。
下のレントゲン写真には
インプラントが入っています。
下の写真は術前のお口の写真です。
一見そんなに問題ない様に見えます。
しかし、横から見てみると
歯と歯の間に大きな隙間が空いています。
以前歯をぶつけて神経の治療をしました。
その際に、歯にヒビが入っていたのでしょう。
残念なことに骨が痩せてしまっています。
このまま抜歯してインプラント治療すると
歯の根っこの部分の歯ぐきが
大きく痩せて凹んでしまいます。
そこで差し歯を外した後に仮歯を入れて
その仮歯を矯正によって引っ張りだします。
この矯正によって周りの歯ぐきや骨も
本来の状態に回復し
ボリュームのある自然な歯ぐきが
できるのです。
これは簡単な矯正治療で
1〜2ヶ月ほどで終了します。
矯正によって環境が整ったら
インプラントの準備をしていきます。
インプラント治療で最も大事なのは
術前の診断です。
どの様な形の歯を作るかによって
インプラントを骨に埋め込む
位置や深さが全く違ってくるのです。
下の写真の様に
先に歯の形を決めた後に
シミュレーションしていきます。
レントゲンCTのデータと
照らし合わせながら
インプラントを埋め込むのに
ベストな位置を決めていきます。
こういったシミュレーションを行い
下の写真の様なインプラントガイドを
作製します。
このインプラントガイドを使用して
インプラントの穴を開けていくのですが
ガイドのレールに沿ってドリルが動くので
ほぼ狂いなく想定通りの穴を開けられます。
インプラントを埋め込んだ際の写真です。
ここではまた別に
『ルートメンブレンテクニック』
という処置も施しています。
インプラントを埋め込んで数ヶ月後に
型取りを行なって
インプラントを取り付けます。
正面から見ても、横から見ても
自然な歯に見えます。
レントゲンでもしっかりとインプラントが
骨と結合しています。
数ヶ月経過しましたが、
いい状態を保っています。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。