2021年09月8日
皆さんはブリッジという言葉を
耳にされたことはありますか?
歯が抜けてしまった場合、
そのままにしておくと
両隣の歯が倒れてきたり、
噛む相手の歯が伸びてきたりして
噛み合わせがガタガタになってしまいます。
そこで、両隣の歯を削って一体型の被せ物を
作ることで噛める様にする方法を
ブリッジと言います。
ブリッジは入れ歯と違い、
取り外しができないため
隙間に汚れや食べかすが詰まりやすく、
臭いや虫歯の原因となります。
今回ご紹介する患者様も
ブリッジの臭い、見た目が
気になるということで来院されました。
矢印の部分が自分の歯ではないので、
歯ぐきとの隙間に
物が挟まりやすくなっています。
なぜ隙間が生まれてしまうかというと、
歯ぐきの部分が
ブリッジに合っていないからだと
考えられます。
インプラントによる治療も検討しましたが
ご希望により、インプラントではなく
ブリッジの再製作を行い、
治療していくことになりました。
ブリッジを除去した時の写真です。
磨き残しが溜まっていたことで
歯ぐきが炎症を起こしており、
ちょっとした刺激でも
出血するような状態でした。
ブリッジの土台の歯が
虫歯になっていたので全て除去し、
仮歯を入れました。
このままだと歯肉の
ボリュームが乏しいため、
他の部位から歯肉を持ってきて
移植します。
歯ぐきに切れ込みを入れ、
歯ぐきの裏側の部分の歯肉をとります。
ブリッジの歯がない部分の歯肉に
裏側から取ってきた歯肉を移植します。
歯肉移植前と移植後の写真です。
移植後の写真は、歯が短いのですが
歯ぐきのボリュームが十分に確保されており、
これから仮歯にて歯ぐきの形を修正します。
本来の歯の様に見せるために
歯がない部分の根っこの部分を盛り足して
歯ぐきに圧接します。
この仮歯をつけて時間を置くと
歯ぐきが仮歯に押されて歯の形になります。
このような歯ぐきの形にすることで
隙間から汚れが入るのを防ぎ、
将来的に問題が起きにくくなります。
その仮歯を元に
最終的な ブリッジが出来上がりました。
歯がない部分を補うような
形をしています。
このブリッジを取り付けします。
歯ぐきを圧迫するのではじめは
貧血帯ができて一時的に
歯ぐきが白くなります。
しかし、時間の経過とともに
ほぼ自分の歯と見分けがつかなくなります。
拡大してみても天然の歯と
見分けがつきません。
人工物が入っているとは思えないほど
自然な見た目となっています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×3(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある
2021年09月3日
歯が割れてしまうと
噛むときに痛みを感じたり、
歯ぐきが腫れるといった
症状が出ることがあります。
割れてしまった歯は残念ながら
抜歯となってしまうことがほとんどです。
今回ご紹介するのは
割れてしまった歯を抜歯し、
インプラントで治療した症例です。
前歯の治療となると
笑ったときや口を開けた時などに見えるため、
治療が終わった後に歯がない訳にはいかず
何らかの歯を取り付ける必要があります。
この患者様は噛んだときに痛い、
ということで来院されました。
見た目は変わった感じは
なさそうですが・・・
レントゲン写真から、土台の方向が
少しずれています。
歯に無理な力がかかると
歯が割れてしまう原因になります。
被せ物と土台を外すと中は虫歯が進み、
歯の根っこにヒビが入り、割れていました。
当初は歯を残す予定でしたが
患者様と話し合った結果、
抜歯してインプラントにて
治療することとなりました。
お口の中を光学印象でスキャンし、
インプラントを埋入する位置や深さ、角度を
コンピューター上でシミュレーションします。
得た情報を元に、インプラントガイドを
作製します。
ガイドを利用することでインプラントを
正確に埋入することができます。
抜歯の際、歯の根っこの一部を抜歯せずに
意図的に残しています。
歯を全部抜いてしまうと、
周囲の組織が吸収してしまい、
歯ぐきが痩せてしまいます。
この歯を一部残す事で
周りの骨や歯肉の吸収を抑え、
自然な歯ぐきの厚みを確保できます。
全部抜歯しないので腫れや痛みも軽減でき、
見た目もいいインプラント治療ができます。
ガイドを用いてインプラントを埋入しました。
よく見るとインプラント体の上側に
歯が一部残っていることがわかります。
その後は、歯がないと困るので
その日のうちに仮の歯を製作して
土台に装着します。
完成した仮の歯がこちらです。
口を開けた時などに違和感を感じない様、
色、形を調整しています。
治療途中の歯ですが仮歯を入れることにより
見た目が気にならないようにしています。
歯ぐきの状態が落ち着いてから
インプラントの上部構造の
製作に取りかかります。
型取りとスキャンを行い、
歯が理想的な形になるようコンピューター上で
シミュレーションし、模型上で再現します。
左が仮歯、右が最終的な被せ物です。
事前に仮歯の形を参考にして
患者様の希望と照らし合わせながら
被せ物の色、形を決定します。
インプラントをネジで固定した後の写真です。
見た目は他の歯と遜色なく、
もちろん噛んだ時の痛みも全くありません。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。