虫歯が神経近くまで進行している MTAセメントで神経を残して歯を長持ちさせた症例
2022年08月5日
今回は範囲が広い虫歯の治療を
ご紹介いたします。
下の写真が治療前の状態です。
左奥から2番目と3番目の歯の間が
黒い虫歯になっているのが分かります。
レントゲン写真を撮影したところ、
虫歯の範囲が大きく、神経まで感染している
可能性がありました。
黒い虫歯を取っていくと
歯の中の神経が露出しました。
通常このように神経が露出してしまった場合は
神経の治療が必要になります。
神経の治療を行うと
歯がしみたりズキズキ痛むことは
なくなりますが、少しづつ歯自体が脆くなり
最終的には割れてしまうことが多くなります。
今回は神経の治療を行わずに
MTAセメントという特殊な薬を使用し、
治療していきました。
白く見えているのがMTAセメントです。
この薬がうまく作用すれば
神経の治療を避けることができます。
この日は一旦蓋をしておいて、
治療した歯に痛みが出ないか
経過を観察します。
後日確認したところ
痛みなどは出なかったため、
この状態からダイレクトボンディングを
行っていきます。
ラバーダムシートを使用することで
お口の中の唾液や血液が
歯に付着することを防ぎ、
精密に詰め物をすることが可能です。
神経が露出した際、
MTAセメントを使用しましたが
その時もラバーダムシートをすることにより
唾液が入り込むのを防いでいます。
唾液の中には様々な菌がいるので
治療部位に触れないようにすることが大切です。
セロハンの膜を使用して歯の形を作っていきます。
治療後の状態です。
痛みもありません。
神経の治療を避けることができたため
この歯が悪くなるリスクは低くなりました。
ダイレクトボンディングをしたことにより
治療した部位に段差はないため、
汚れもたまりにくくなっています。
※ダイレクトボンディング
5万5千円〜7万7千円
デメリットとして噛む力により
すり減ることがある。