2018年11月27日
今回は、奥歯の虫歯治療を行いました。下の写真は治療前のものです。中央の歯を見ると虫歯の治療をした跡がありますが、治療を行なったところからさらに黒っぽい虫歯になっているのが分かります。
まずは、古い詰め物を全て外していきました。詰め物の下はこのように真っ黒になっていました。
虫歯染色液を使用しているところです。ピンク色に染まっている部分は虫歯です。黒っぽい虫歯は取り除いていますが、その下にはまだ虫歯が残っていました。色だけで虫歯と判断するのは難しいのです。染色液を繰り返し使い、ピンク色に染まらなくなるまで虫歯を除去していきます。
虫歯を取り除いたところです。全て虫歯を除去すると歯の中の神経が一部露出し、出血しました。神経の露出した範囲にもよりますが、このようになってしまった場合は虫歯菌が神経の中まで感染している可能性があるため、神経を取る治療を行うのが一般的です。
今回は、止血を行い特殊な薬を詰めて神経の治療を回避しました。神経の治療を行うと歯自体が脆くなりやすく、悪くなる可能性が高くなるからです。
歯の形を修復するために金属の膜を歯の周囲に圧接しています。金属の膜で壁ができているため詰め物を流し込む際、歯からはみ出す恐れがなくなります。
噛み合わせの面も歯の形を再現していきます。
治療後の写真です。歯が乾燥しているため色の境目が目立ちますが、色が元どうりになると分からなくなります。神経が露出した際止血は出来ていますが、治療後に痛みが続くようなら歯の中の神経を取る必要があります。近いうちに来ていただき確認を行いました。
後日撮影した写真です。歯の乾燥もないため詰め物と歯の色も馴染んでいます。痛みも出ていないため神経を取る治療は必要ありませんでした。
ダイレクトボンディング
費用7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月22日
今回は前歯の詰め物のやりかえ治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の二本の歯には詰め物治療をした跡があります。しかし、詰め物の形や色が不自然で目立ちます。
まずは歯の型取りを行い模型を作ります。模型に茶色いロウを盛り足していき、理想的な歯の形を作っていきます。
シリコーンでできた型取り材を模型に圧接し、理想的な形の型どりを行います。できた型を使い治療を進めていきます。
古い詰め物を外したところです。歯と歯の間に大きな隙間ができました。
ラバーダムシートをかけて詰め物治療をする準備をしています。シリコーンの型をあてると隙間があります。この隙間の部分に適切に詰め物治療を行えば理想的な形の歯にすることができます。
治療を行なっている途中です。シリコーン製の型と歯の間に隙間はなくなりました。治療中は詰め物をしっかりと接着させるため歯を乾燥させる必要があります。乾燥により歯は白っぽく変色するため詰め物との間に色の境目が見えますが色が戻ると馴染みます。
研磨、形の修正を行い後日撮影した写真です。色、形ともに自然に見えます。歯の乾燥もなくなったことで境目もわからなくなっています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円×2本
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月20日
今回は、歯根端切除という治療を行いました。下の写真は治療前の状態です。写真中央の被せ物が外れている歯の治療を行いました。他院で根の治療を行なったのですが、なかなか痛みが引かないとのことでした。まずは通常通り根の治療を行いました。
根の治療後のレントゲン写真です。白い線のように写っているのが根の中に入れた薬です。少し分かり辛いですが、根は三つに分かれており、そのうちの一つの根の先に汚れが溜まっています。根の治療後、しばらく痛みの様子を見ていましたが変化がないため、歯根端切除という治療を行うこととなりました。
歯根端切除を行なっている途中の写真です。歯の根の部分に当たる部分の歯茎をめくり、骨に穴をあけ中の歯の根の部分を削り取ります。削った根の先から特殊な薬をつめ縫合を行います。
治療後の状態です。このように歯茎を縫い合わせています。
治療後のレントゲンです。左側の歯の根が短くなっているのが分かります。この状態で傷の治り、痛みの変化を見ていきます。
傷が治ったところです。治療前にあった痛みも引いていました。患者さまと話し合い、この歯にオールセラミッククラウンを被せていくことになりました。
上から見たところです。被せ物をつけるためにまずは土台を作っていきます。
治療中の歯にファイバーコアという土台を取り付け、形を整えました。
精密な型取り材を使用し。歯の型をとりました。
型取りしたものに石膏を流し込みできたお口の中の模型です。この模型に合うように被せ物を作製していただきます。
実際に被せ物を取り付けたところです。歯の色形は周りの歯に近づけています。痛みなどの症状もなく経過は良好です。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年11月16日
今回は、奥歯の治療を行なっていきました。下の写真は治療前のものです。写真中央の歯には銀の詰め物が入っていたのですが、その詰め物が取れています。中は黒い虫歯になっているのが分かります。
虫歯を取っている途中です。歯の中に大きな穴が空いているのが分かります。この穴の中は通常、血液などで満たされているのですがこの歯の場合は中がスカスカになっています。虫歯の部分から菌が繁殖し、神経が死んでしまうとこのようにスカスカになります。このままにしておくと、歯の根の先で菌がさらに増え膿の袋を作ることがあります。そうならないためにも根の治療が必要です。
根の治療を行なっているところです。根の治療中、穴の中に唾液などが入っていくと治療を進めているのですが菌が入り込むため治らないということがあります。そうならないためにも治療中はラバーダムシートを使う必要があります。緑色のシートがラバーダムシートです。このシートを歯の周りに固定すると唾液、呼気が歯に付かなくなります。この状態で治療を行うと菌が入り込むのを防ぐことができ、予後は良くなります。
根の中に薬を詰めました。ピンク色の部分が薬です。この薬を緊密に入れることにより、菌が活動するのを防ぎます。
根の治療があ割ったので歯の形を作っていきます。今回はダイレクトボンディングという方法で治療を行いました。歯に接着する樹脂を使用します。型取りを行わずに直接樹脂を盛り形を作るので、歯を極力削らずに治療を進めることができます。
歯の形を整え終わったところです。ラバーダムシートを外して噛み合わせの調整、研磨を行います。
治療後の状態です。歯の形、色も本物の歯に近くなっています。隙間や段差はないため治療前のように虫歯になる可能性は低くなっています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月13日
今回は、前歯の治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の前歯二本は、他の歯と見比べると短いように思えます。この二本の歯に治療を行いました。
今入っている被せ物を外しました。大きな虫歯にはなっていませんでした。
外した被せ物の代わりに仮歯を作成しました。まだ歯は短いままです。
治療のゴールとなる模型です。前歯二本にロウを盛っていき、理想的な形を作っています。この形に近づけるために今回はクラウンレングスニングという治療が必要になりました。
先ほどの模型から、透明の歯を作成しました。
青い線が理想的な歯の形のラインです。このラインまで歯茎を下げる必要がありますが、単純に歯茎を切り取るだけでは歯の周りの組織のバランスが崩れて腫れが治らなくなります。歯の周りの組織のバランスを保つためには歯茎の中の骨の形も整えなければいけません。このような治療をクラウンレングスニングと言います。
歯茎に透明の歯を被せて、理想的な歯のラインにメスを入れました。
歯茎を切り開き、中の骨が見えるようにしています。理想的な歯のラインと骨の位置関係が適正になるように形を整えます。
骨の形を整えました。歯のラインと骨の位置関係も適正な関係になっています。
仮歯を戻したところです。歯茎のラインは下がっているため仮歯には隙間があります。
歯茎の傷が治り、仮歯の修正を行いました。修正により歯の短さは改善しています。
最終的な被せ物を作成する前に精密な仮歯を作りました。形の最終確認、修正を行います。
横の歯には小さな虫歯ができていたのでダイレクトボンディング治療を行いました。仮歯を外して型取りし、最終的な被せ物を作成します。
最終的な被せ物と取り付けたところです。歯の短さは改善され見た目も問題ありません。
クラウンレングスニングおよびオールセラミッククラウン、ダイレクトボンディング
クラウンレングスニング
33000円×3本
オールセラミッククラウン
187000円×2本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
ダイレクトボンディング
22000円×2本
オールセラミッククラウンは、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年11月7日
今回は、見逃しやすい虫歯治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の歯は問題なさそうに見えます。
内側から写真を撮りました。横の銀の詰め物との間が茶色い虫歯になっています。真上から見ただけでは発見することができない見逃しやすい虫歯です。
虫歯を取り除きました。古い詰め物も同時に取っています。
虫歯を取り終えるとラバーダムシートをお口にかけていきます。この歯をダイレクトボンディングという方法で治療していくのですが、治療中はできるだけ歯を乾燥させる必要があります。ラバーダムシートをお口にかけると呼気や唾液が歯に付きにくくなるため治療には必須です。
金属のリングやオレンジ色の楔を使い歯と歯の隙間に入れている透明の膜を歯に圧接し固定します。
膜に沿わせてコンポジットレジンという白い樹脂を流し込みます。この樹脂は光をあてると固まる素材になっています。
噛み合わせの部分も形を作ります。
治療が終わったところです。内側から見ると治療前の隙間がなくなっているのが分かります。
真上から見たところです。歯の色、形も問題ありません。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月5日
今回は、歯を抜いた後の治療です。下の写真は治療前のものです。中央の歯の状態は良くないのですが写真で見ただけではよく分かりません。
少し内側から見たところです。歯茎の際のところに出来物ができているのが分かります。
ほっぺた側の方にもできています。
レントゲン写真です。左側が問題の歯です。歯の根の状態を見ると、右側の歯と比べ左側の歯は根の周りが黒くなっているように見えます。根の周りの骨が溶けるとこのように写ります。根の治療がうまくいっていない、根にヒビが入っていたりすると周りの骨が溶けていきます。
根の治療での治癒は難しいと判断し、抜歯を行いました。出血があるため色を変えています。
抜歯した歯です。歯の根自体にヒビが入っており、抜歯中に割れました。歯の神経を取る治療を行うと、写真のような金属の土台をつけて被せ物をすることが多くなります。神経を取った歯は虫歯で痛むことはなくなりますが、歯の寿命は短くなりこのように割れてしまいます。
傷が治りました。この状態で治療を終えると隣の歯が傾いてくる、噛み合わせの歯が伸びてくるなどの歯の移動が起こります。歯が移動すると、噛み合わせが変化し不必要な力が加わるようになり周りの歯も悪くなるリスクがあります。
このスペースに対する治療は一本だけの入れ歯、ブリッジ、インプラントになります。今回は、患者さまと相談しブリッジ治療を行なっていきました。
左右の歯の古い被せ物を外したところです。どちらの歯も汚れが入り込み、黒くなっています。
金属の土台を外しました。まだ虫歯が残っています。
虫歯を取りきり、ラバーダムシートをかけました。歯の土台を直接作っていきます。
白い樹脂を流し込み固めました。左側の歯の虫歯治療も同時に行なっています。
ラバーダムシートを外して形を整えました。
仮歯を作成し、歯茎の形をコントロールします。
仮歯で歯茎を押していくとこのように凹みができます。
型取りを行い作成した本歯を取り付ける前の状態です。
歯茎に凹みを作った部分に本歯がはまりこむようにできています。
このように歯茎の形を整え、その形に合わせた本歯を作ると、抜歯した部分にも歯があるように見え審美的になります。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×3本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。