2018年12月26日
今回は、奥歯の古い詰め物の下の虫歯治療を行いました。下の写真は治療前のものです。左側の歯には白っぽい詰め物、右の歯には銀の詰め物が入っています。
まずはそれぞれの歯の古い詰め物を外していきました。詰め物の下は汚れています。さらによく見ると歯と歯の隙間の部分から虫歯になっているのがわかります。
虫歯を取り除いている途中です。治療前は分かりませんでしたが、深い虫歯になっています。
虫歯を取りきったところの写真です。詰め物の下、歯と歯の隙間両方から虫歯が進んでいました。この状態からまた詰め物治療を行うのですが、型取りを行う方法では精度に限界があり、治療したところから二次的な虫歯になる可能性が高くなります。
型取りを行わず直接お口の中で詰め物を作っていくことにより、隙間がなくなり治療部位から虫歯になるリスクを下げることができます。しかし、お口の中は細菌や湿気、唾液、舌など治療を行うには過酷な状態です。そういった周りの状況から歯を隔離するために緑色のラバーダムシートを使用します。
歯を隔離した上で、さらに器具をつけて治療を行なっていきます。歯と歯の隙間の部分にはセロハンの膜を入れ楔を入れます。こうすることで歯の形にピタッとセロハンの膜が圧接され隙間なく治療ができます。
左右の歯に同様の治療を行い、真ん中の歯の治療を行なっていきました。
歯の隙間の部分から治療を進めていき、シンプルな形にしていきます。楔をさらに固定するリングを併用しています。
両側の隙間の部分を詰め終わりました。このあと噛み合わせの部分を詰めていきます。
歯の形に修復されました。器具を外して噛み合わせの調整、研磨を行います。
治療後の状態です。歯が乾燥しているため、詰めた部分と歯の色の境が目立ちます。また器具を使用したことにより一時的に歯茎が荒れています。
少し期間をあけてチェックを行なった時の写真です。歯の色は落ち着き治療跡がわからないようになっています。歯茎も治っています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円、7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年12月12日
今回は、奥歯のインプラント治療を行いました。下の写真は治療前のものです。中央の歯は歯の根だけが残っている状態です。根の部分をよく見ると亀裂が入り割れてしまっているのがわかります。このように歯の根が割れてしまった場合、歯として残すことは難しく今回も抜歯を行うことになりました。
抜歯を行なった直後の写真です。出血があるため色を変えています。
数ヶ月期間をあけ傷が綺麗に治ったところです。歯が無くなったことにより骨の幅が狭くなったのがわかります。
インプラント治療を行うために歯茎を開き、骨が見えるようにしています。
インプラントガイドという器具を使用し治療を進めていきます。インプラントガイドには治療部位に丸い穴が空いています。事前に理想的な治療後の状態の模型を作り、その模型通りの最適な治療を進めるためにこのようなインプラントガイドを作成します。
このようにインプラントガイドを使用すると、限られた方向にしかドリルは進まないので計画通りに穴を開けることが出来ます。
インプラントが計画通りに埋入されたところです。
糸で歯茎を縫い合わせ蓋をし傷の治りを待ちます。
しばらく経つと、このように傷が治りました。インプラント自体も骨と結合しているため被せ物を作るための型取りを行なっていきました。
精度の高いシリコーン製の型取り材を使用し型取りしています。
型取り材から作成されたお口の中の模型です。この模型にあった被せ物を技工士さんに作製していただきます。
被せ物が出来上がったところです。噛み合わせの部分に穴が空いています。今回はこの穴にネジを入れ骨の中のインプラントと被せ物を固定する、スクリューリテインというタイプで被せ物を作っています。
実際にお口の中に取り付けを行いました。この取り付け方法では接着剤を使用しないため歯茎の炎症が起こりにくいと言われています。
穴の部分に仮の蓋を入れています。この状態でしばらく生活していただき問題ないか確認します。
問題ないことが確認されたので穴の部分に詰め物治療を行いました。見た目ではわからないようになっています。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2018年12月11日
今回は、詰め物が割れて外れてしまった歯の治療を行いました。下の写真は治療前のものです。中央には白い詰め物治療がされた歯が写っていますが、右側の部分が割れて無くなっています。このように割れてしまう原因として、『詰め物自体の硬さ不足』、『詰め物の厚みが足りない』、『接着していない』、『噛み合わせの力が強くかかりすぎた』、『精度が悪い』などが考えられます。歯科では様々な材料を使用します。一つ一つ特性が違うため、その材料にあった処置を行わなければトラブルの元になってしまいます。
今回は、残っている詰め物も全て外し、ダイレクトボンディングにて治療を行っていきました。詰め物を外すと中に虫歯は無いように見えますが、左側の歯との隙間が少し黒くなっているように見えます。
虫歯検知の染色液で確認すると歯との隙間から虫歯になっていました。左側の歯も一部虫歯になっていたので同時に治療を行います。ダイレクトボンディングは型取りを行わず直接歯にコンポジットレジンという樹脂を接着させる治療法です。
緑色のラバーダムシートをお口にかけて治療を行なっています。コンポジットレジンを歯に接着させるためにいくつかの処理を行い歯の形を作っていくのですが、歯の表面に呼気や唾液が付着すると接着が邪魔されます。それを防ぐためにラバーダムシートをつけてお口の中から歯を隔離する必要があります。
コンポジットレジンの硬さは歯とほぼ同等の硬さを持ち合わせています。噛み合わせの調整を適切に行えばほとんど外れたり割れたりする心配はありません。少しずつすり減ることはありますが、部分的に修復を行うことが可能です。隙間や段差がないため、審美的にも問題ありません。
ダイレクトボンディング
費用7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。