上あごのとても薄い骨に必要最小限の治療で骨を作りインプラント治療(ソケットリフト)・福岡市
2016年01月8日
上あごの骨が薄く治療が難しい方に少ないダメージでインプラント治療を行った患者さんです。
下の写真が術前術後のレントゲン写真です。
下の写真は抜歯した直後と治療が終わった状態のお口の中の写真です。
下は初診の時のお口の写真とレントゲンですが、頑張って治療してあるのですが、歯の神経を取ってある歯が外部吸収という状態に陥っています。
残念ですが、こうなってしまうと、もう残すことは出来ません・・・
抜歯をしなければならないのです・・・
抜歯して約2ヶ月経ったところです。
このままでは、噛むことができませんし、これからどんどん歯が移動してきてしまいます。
ですので早く治療しなければなりません。
この方の様に、歯が1本無くなって前後の歯が健康ならば、現在の歯科医療ではインプラント治療が最も優れた治療法です。
しかし、上あごの骨はその奥に副鼻腔があり、骨の厚みがほとんどないことが多いのです。
現在のインプラントは最低でも8mmの長さが必要です。
この方もレントゲンCTを撮影したところインプラントが入る部分には約1mmほどしか骨がありません。
以前は、サイナスリフトという治療法で副鼻腔の中に大幅に骨を作り1年ほど待って、それからインプラント治療を行うということしか方法がありませんでした。
大規模な手術を伴う方法で、体への負担とまた時間もものすごくかかります。
今では、ソケットリフトという方法で、体へのダメージも少なく治療の時間も大幅に短縮できます。
実際に治療した行程です。
副鼻腔にはシュナイダー膜というとても薄い膜があるのですが、その膜を破らない様にゆ〜っくり、やさ〜しく骨に穴を開け、上あごの骨と膜の間に少〜しずつ人工骨を挿入していきます。
すると、副鼻腔の中に骨材が気球の様に入っていくのがわかります。
この時に膜が破れていたらこの様にはなりません。
骨材が十分に入ったのを確認したら、またそ〜っとインプラントを埋め込んでいきます。
この時はインプラントは薄い骨だけにしか支えられていませんので、慎重さが特に必要です。
治療が終わった時のお口の写真です。
これから2〜3ヶ月様子を見てもらいます。
時間が経過し、レントゲンを撮影したところです。
インプラントの周りが白く写り、骨が出来ているみたいです。
CTでも確認します。
インプラントを支えるのに十分な骨が出来ています。
しかし、これだけでは安心できませんので、『ペリオテスト』というインプラントの強さを測定する機械で測定します。
−7という最も信頼出来る数値が出ました。
これで、完全に骨とくっついていることが確認できました。
ここまで確認できて、型取りをしていきます。
下の写真がインプラントの上に歯を取り付けた写真です。
天然の歯とほとんど見分けがつきません。
噛み心地も天然の歯同様、違和感はありません。
こうなると、今後は安心です。
『インプラント治療はあまり良くないと人に聞いた』などと患者さんから聞くことがあります。
実際、他院でインプラント治療をなさった方でもあまり良くなかったと言われることがありますが、ほとんどが原理原則を忠実に守ってないことが原因です。
インプラント治療にはルールがあります。それを守らなければ、どんな良い治療と言われていても予後は明るいものではないでしょう。
しかし、キチンとした計画、施術を行うと、人間にとってインプラント治療はとても素晴らしいものです。
何も日本だけで行われている治療ではなく、世界中で行われている信頼出来る治療法なのです。
ですので、歯で苦労してある方は是非、信頼出来る医院で診査なさることをお勧めします。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。