被せ物での治療が適応の歯を最小限の侵襲でダイレクトボンディング修復をした症例
2017年06月10日
今回は被せ物治療が適応となる歯をダイレクトボンディングで
修復した症例です。
治療前の写真です。中央の歯はうっすらと黒くなっているように
見えます。すでに虫歯治療をしてありますが、詰め物は歯にあって
いないようです。この隙間に虫歯菌が入り込んでいき中が黒い
虫歯になっていると思われました。
古い詰め物を外していきました。
やはり中は虫歯になっています。虫歯を取り除く際、横の歯まで
削ってしまわないように金属の板を歯と歯の間に挟んでいます。
虫歯を全て取り切ったところの写真です。
以前の治療では歯の中にある神経の治療までしてありました。
歯の中央に見える白とピンクが神経の治療時に入れたお薬です。
通常、神経の治療をした後は被せ物での治療が適応となります。
歯を削っている範囲も大きいため、被せ物以外の治療では
二次的な虫歯のリスクが高まります。今回の虫歯の原因も
詰め物がうまくなされていなかった事でした。
しかし、被せ物治療は、虫歯ではない部分を多く削らないといけません。
最小限の削る量で治療するとなると、直接詰めていく方法となります。
今回はダイレクトボンディング治療を選択し、歯を削る量を最小限でおさえ
詰め物をするのに必要な環境を整え、緊密に修復していくこととなりました。
まずはラバーダムシートをお口に取り付けます。
口の中の唾液や湿気などから歯を隔離する作用を持っています。
歯に水分がついた状態では詰め物はうまく接着しません。
横の歯も虫歯になっていたため先に治療していきます。
セロハンの膜を歯と歯の間に入れています。
その膜を黄色と水色の器具でおさえています。
ここに樹脂を詰めていくことにより、歯の形を再現できます。
次に中央の歯を修復していきます。
先ほどと同じようにセロハンの膜を入れ、水色や緑の器具でおさえています。
金属のリングを使うことにより、より精密に歯の形を作っています。
詰め物をした後の写真です。
ラバーダムシートを外して噛み合わせの調整研磨が終わったところの
写真です。
詰め物には段差や隙間はないので、ここから二次的な虫歯になること
もありません。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。