全顎治療(フルマウス) 矯正治療後に歯周外科(クラウンレングスニング)を行いセラミックスによる審美修復 歯が短い
2019年11月25日
歯が短いことを改善してほしいと来院した患者さんです。
結果的に以下の様に短い歯が、長くなり理想的なお口の状態になっています。
この様な複雑な問題を抱えている患者さんを治療して改善するのは中々難しいのですが、
どの様に治療を行なったのか簡単にご説明していきます。
まず、初めは引き締まった歯茎にならなくては治療に進めないので
お口の清掃ができる様になる為、歯磨き指導と歯周病の治療をしていきます。
その後、虫歯の治療を行い、プロビジョナルレストレーションという仮歯に全体の歯を変えていきます。
この方は、このまま治療してもいい結果は生まれないので、矯正治療を行います。
セットアップ模型という治療の設計図を作り、ワイヤーにて矯正治療を始めていきます。
下は矯正治療の前後です。
しかし、矯正治療だけでは、『歯が短い』ことは解決できず、歯周外科という方法で、
歯茎を切開して歯を長くする方法を行いました。
その際にも、術後の設計図が必要です。
最終的に以下の様なお口の中になる事が診断用ワックスアップを作る事で分かりました。
ここから、歯周外科を行なっていきます。
診断用ワックスアップから、歯周外科の目安となる装置を作ってそれを元に歯周外科(クラウンレングスニング)を行います。
以下がその写真です。
歯周外科を行なって、数ヶ月すると歯茎が健康になります。
その後に、歯肉圧排糸を使用して、シリコン印象材にてとても精密な型取りをしていきます。
その後、セラミックスを装着していきますが、今回前歯はe-maxというセラミックスで治療しています。
奥歯はジルコニアという素材のセラミックスを用いて治療しています。
治療前に想定していた歯並び、歯の長さ、形、色を作る事ができました。
ほとんど本物の歯と見分けがつかないくらい、リアルなセラミックスがお口の中に入っています。
患者さんにとても喜んでいただきました。
矯正とクラウンレングスニングおよびオールセラミッククラウン、ダイレクトボンディング
費用 990000円(矯正)33000円×6(クラウンレングスニング)187000円×13(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)66000円×6(ダイレクトボンディング)
デメリットとして矯正は想定通り歯が動かない可能性、術後に後戻りする可能性がある。オールセラミッククラウンは、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。ダイレクトボンディングは歯に比べて硬度が低く破折の可能性(ただし、修復可能)や若干の変色の可能性が考えられる。