大きな虫歯 本来は抜歯の歯を矯正用ゴムで歯を引っ張り出して残した症例
2022年05月12日
虫歯が進行すると歯が酸で溶けて
ボロボロになってしまいます。
今回は一般的には抜歯とされている歯を
治療によって残し、噛めるようにした
症例をご紹介いたします。
この歯は虫歯によって
歯の大部分が溶けてなくなっていました。
虫歯を取り除くと歯茎より深くまで
虫歯が進行していました。
このような状態だと
虫歯を全部取り除けず、
また精密な土台をたてることができず、
被せ物を被せることが難しくなってしまいます。
しっかりとした土台が立てるために
歯を引っ張り出して
歯ぐきより上の位置へ
歯をもってくる必要があります。
急に強い力が歯に加わると歯が折れたり、
抜けたりする恐れがあるため
じっくりと弱い力を歯に加えます。
処置後1ヶ月後の写真です。
写真で歯が歯茎よりも
上の方へ伸びていることがわかります。
歯は歯槽骨という骨に
支えられているのですが、
歯を引っ張り上げる際に骨も一緒に
ついてくることがあるので
歯の周りの歯槽骨の形を整えます。
歯と歯茎の隙間に糸を入れていきます。
これを歯肉圧排と言います。
この糸を入れておくと歯と歯茎の隙間が広がります。
できた隙間に型取り材が流れ込んでいき,
より正確な歯の型取りが出来るようになります。
型取りによって出来た土台を取り付けし、
形を整えたところです。
今回は金属の土台ではなく
ファイバーコアという土台を取り付けています。
ファイバーコアの硬さは歯の硬さと近いため、
歯が割れるリスクが低くなると言われています。
上から被せる
オールセラミッククラウンの色を決めています。
周囲の歯の色を参考にしています。
型取りしたものの写真です。
黄色と紫色の二つの型取り材を使用し、
精度の高い型取りを行います。
型取りを元にできた模型と被せ物です。
周りの歯と比較して自然な形に作られています。
できた被せ物を取り付けしたところです。
見た目、精度とも問題なくできています。
エクストルージョン3万3千円
クラウンレングスニング3万3千円
ファイバーコア 1万1千円
プロビジョナルレストレーション1万1千円
ジルコニアクラウン16万5千円
デメリット
神経がなくなった歯は突如として割れる可能性がある。