2019年01月7日
今回は、根の治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の歯には治療跡があり、その上に写っている歯茎は腫れているのが分かります。他院で根の治療をされていたのですが、歯茎が腫れ痛みも出てきたため来院されました。
白く写っている仮の蓋を外したところです。黒い穴が三つ空いているのが見えます。それぞれの穴が根っこと繋がっており、歯茎のできものを治すにはそれぞれの根を綺麗に掃除する必要があります。
口の中の唾液には細菌がたくさん含まれています。治療中に唾液が入り込むと治療がうまくいかないこともあるため、歯をラバーダムシートという緑色のシートで隔離して治療を進めます。
根の中を掃除し、一時的な薬を詰めたところです。仮の蓋をして歯茎の状態を確認するため日にちをあけます。
後日確認した時の写真です。歯茎のできものはすっかり無くなっています。
痛みもないため、根の中に最終的な薬を入れていきました。
薬を入れた後、また日にちをあけました。歯茎も落ちついており痛みもありません。
歯には大きな穴が開いたままになっているため樹脂を流し込み固めていきます。
樹脂を固めています。
根の治療は終わったので被せ物を作る準備をしていきます。歯の形を整え被せ物がつけれるようになっています。
型取りを行い、お口の中の模型を作ります。
この模型にあった被せ物を技工士さんに作っていただきます。今回は、ジルコニアという素材で作った被せ物になっています。
実際にお口の中に取り付けをしました。歯の色、形も自然にできています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年12月26日
今回は、奥歯の古い詰め物の下の虫歯治療を行いました。下の写真は治療前のものです。左側の歯には白っぽい詰め物、右の歯には銀の詰め物が入っています。
まずはそれぞれの歯の古い詰め物を外していきました。詰め物の下は汚れています。さらによく見ると歯と歯の隙間の部分から虫歯になっているのがわかります。
虫歯を取り除いている途中です。治療前は分かりませんでしたが、深い虫歯になっています。
虫歯を取りきったところの写真です。詰め物の下、歯と歯の隙間両方から虫歯が進んでいました。この状態からまた詰め物治療を行うのですが、型取りを行う方法では精度に限界があり、治療したところから二次的な虫歯になる可能性が高くなります。
型取りを行わず直接お口の中で詰め物を作っていくことにより、隙間がなくなり治療部位から虫歯になるリスクを下げることができます。しかし、お口の中は細菌や湿気、唾液、舌など治療を行うには過酷な状態です。そういった周りの状況から歯を隔離するために緑色のラバーダムシートを使用します。
歯を隔離した上で、さらに器具をつけて治療を行なっていきます。歯と歯の隙間の部分にはセロハンの膜を入れ楔を入れます。こうすることで歯の形にピタッとセロハンの膜が圧接され隙間なく治療ができます。
左右の歯に同様の治療を行い、真ん中の歯の治療を行なっていきました。
歯の隙間の部分から治療を進めていき、シンプルな形にしていきます。楔をさらに固定するリングを併用しています。
両側の隙間の部分を詰め終わりました。このあと噛み合わせの部分を詰めていきます。
歯の形に修復されました。器具を外して噛み合わせの調整、研磨を行います。
治療後の状態です。歯が乾燥しているため、詰めた部分と歯の色の境が目立ちます。また器具を使用したことにより一時的に歯茎が荒れています。
少し期間をあけてチェックを行なった時の写真です。歯の色は落ち着き治療跡がわからないようになっています。歯茎も治っています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円、7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年12月12日
今回は、奥歯のインプラント治療を行いました。下の写真は治療前のものです。中央の歯は歯の根だけが残っている状態です。根の部分をよく見ると亀裂が入り割れてしまっているのがわかります。このように歯の根が割れてしまった場合、歯として残すことは難しく今回も抜歯を行うことになりました。
抜歯を行なった直後の写真です。出血があるため色を変えています。
数ヶ月期間をあけ傷が綺麗に治ったところです。歯が無くなったことにより骨の幅が狭くなったのがわかります。
インプラント治療を行うために歯茎を開き、骨が見えるようにしています。
インプラントガイドという器具を使用し治療を進めていきます。インプラントガイドには治療部位に丸い穴が空いています。事前に理想的な治療後の状態の模型を作り、その模型通りの最適な治療を進めるためにこのようなインプラントガイドを作成します。
このようにインプラントガイドを使用すると、限られた方向にしかドリルは進まないので計画通りに穴を開けることが出来ます。
インプラントが計画通りに埋入されたところです。
糸で歯茎を縫い合わせ蓋をし傷の治りを待ちます。
しばらく経つと、このように傷が治りました。インプラント自体も骨と結合しているため被せ物を作るための型取りを行なっていきました。
精度の高いシリコーン製の型取り材を使用し型取りしています。
型取り材から作成されたお口の中の模型です。この模型にあった被せ物を技工士さんに作製していただきます。
被せ物が出来上がったところです。噛み合わせの部分に穴が空いています。今回はこの穴にネジを入れ骨の中のインプラントと被せ物を固定する、スクリューリテインというタイプで被せ物を作っています。
実際にお口の中に取り付けを行いました。この取り付け方法では接着剤を使用しないため歯茎の炎症が起こりにくいと言われています。
穴の部分に仮の蓋を入れています。この状態でしばらく生活していただき問題ないか確認します。
問題ないことが確認されたので穴の部分に詰め物治療を行いました。見た目ではわからないようになっています。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2018年12月11日
今回は、詰め物が割れて外れてしまった歯の治療を行いました。下の写真は治療前のものです。中央には白い詰め物治療がされた歯が写っていますが、右側の部分が割れて無くなっています。このように割れてしまう原因として、『詰め物自体の硬さ不足』、『詰め物の厚みが足りない』、『接着していない』、『噛み合わせの力が強くかかりすぎた』、『精度が悪い』などが考えられます。歯科では様々な材料を使用します。一つ一つ特性が違うため、その材料にあった処置を行わなければトラブルの元になってしまいます。
今回は、残っている詰め物も全て外し、ダイレクトボンディングにて治療を行っていきました。詰め物を外すと中に虫歯は無いように見えますが、左側の歯との隙間が少し黒くなっているように見えます。
虫歯検知の染色液で確認すると歯との隙間から虫歯になっていました。左側の歯も一部虫歯になっていたので同時に治療を行います。ダイレクトボンディングは型取りを行わず直接歯にコンポジットレジンという樹脂を接着させる治療法です。
緑色のラバーダムシートをお口にかけて治療を行なっています。コンポジットレジンを歯に接着させるためにいくつかの処理を行い歯の形を作っていくのですが、歯の表面に呼気や唾液が付着すると接着が邪魔されます。それを防ぐためにラバーダムシートをつけてお口の中から歯を隔離する必要があります。
コンポジットレジンの硬さは歯とほぼ同等の硬さを持ち合わせています。噛み合わせの調整を適切に行えばほとんど外れたり割れたりする心配はありません。少しずつすり減ることはありますが、部分的に修復を行うことが可能です。隙間や段差がないため、審美的にも問題ありません。
ダイレクトボンディング
費用7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月27日
今回は、奥歯の虫歯治療を行いました。下の写真は治療前のものです。中央の歯を見ると虫歯の治療をした跡がありますが、治療を行なったところからさらに黒っぽい虫歯になっているのが分かります。
まずは、古い詰め物を全て外していきました。詰め物の下はこのように真っ黒になっていました。
虫歯染色液を使用しているところです。ピンク色に染まっている部分は虫歯です。黒っぽい虫歯は取り除いていますが、その下にはまだ虫歯が残っていました。色だけで虫歯と判断するのは難しいのです。染色液を繰り返し使い、ピンク色に染まらなくなるまで虫歯を除去していきます。
虫歯を取り除いたところです。全て虫歯を除去すると歯の中の神経が一部露出し、出血しました。神経の露出した範囲にもよりますが、このようになってしまった場合は虫歯菌が神経の中まで感染している可能性があるため、神経を取る治療を行うのが一般的です。
今回は、止血を行い特殊な薬を詰めて神経の治療を回避しました。神経の治療を行うと歯自体が脆くなりやすく、悪くなる可能性が高くなるからです。
歯の形を修復するために金属の膜を歯の周囲に圧接しています。金属の膜で壁ができているため詰め物を流し込む際、歯からはみ出す恐れがなくなります。
噛み合わせの面も歯の形を再現していきます。
治療後の写真です。歯が乾燥しているため色の境目が目立ちますが、色が元どうりになると分からなくなります。神経が露出した際止血は出来ていますが、治療後に痛みが続くようなら歯の中の神経を取る必要があります。近いうちに来ていただき確認を行いました。
後日撮影した写真です。歯の乾燥もないため詰め物と歯の色も馴染んでいます。痛みも出ていないため神経を取る治療は必要ありませんでした。
ダイレクトボンディング
費用7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月22日
今回は前歯の詰め物のやりかえ治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の二本の歯には詰め物治療をした跡があります。しかし、詰め物の形や色が不自然で目立ちます。
まずは歯の型取りを行い模型を作ります。模型に茶色いロウを盛り足していき、理想的な歯の形を作っていきます。
シリコーンでできた型取り材を模型に圧接し、理想的な形の型どりを行います。できた型を使い治療を進めていきます。
古い詰め物を外したところです。歯と歯の間に大きな隙間ができました。
ラバーダムシートをかけて詰め物治療をする準備をしています。シリコーンの型をあてると隙間があります。この隙間の部分に適切に詰め物治療を行えば理想的な形の歯にすることができます。
治療を行なっている途中です。シリコーン製の型と歯の間に隙間はなくなりました。治療中は詰め物をしっかりと接着させるため歯を乾燥させる必要があります。乾燥により歯は白っぽく変色するため詰め物との間に色の境目が見えますが色が戻ると馴染みます。
研磨、形の修正を行い後日撮影した写真です。色、形ともに自然に見えます。歯の乾燥もなくなったことで境目もわからなくなっています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円×2本
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月20日
今回は、歯根端切除という治療を行いました。下の写真は治療前の状態です。写真中央の被せ物が外れている歯の治療を行いました。他院で根の治療を行なったのですが、なかなか痛みが引かないとのことでした。まずは通常通り根の治療を行いました。
根の治療後のレントゲン写真です。白い線のように写っているのが根の中に入れた薬です。少し分かり辛いですが、根は三つに分かれており、そのうちの一つの根の先に汚れが溜まっています。根の治療後、しばらく痛みの様子を見ていましたが変化がないため、歯根端切除という治療を行うこととなりました。
歯根端切除を行なっている途中の写真です。歯の根の部分に当たる部分の歯茎をめくり、骨に穴をあけ中の歯の根の部分を削り取ります。削った根の先から特殊な薬をつめ縫合を行います。
治療後の状態です。このように歯茎を縫い合わせています。
治療後のレントゲンです。左側の歯の根が短くなっているのが分かります。この状態で傷の治り、痛みの変化を見ていきます。
傷が治ったところです。治療前にあった痛みも引いていました。患者さまと話し合い、この歯にオールセラミッククラウンを被せていくことになりました。
上から見たところです。被せ物をつけるためにまずは土台を作っていきます。
治療中の歯にファイバーコアという土台を取り付け、形を整えました。
精密な型取り材を使用し。歯の型をとりました。
型取りしたものに石膏を流し込みできたお口の中の模型です。この模型に合うように被せ物を作製していただきます。
実際に被せ物を取り付けたところです。歯の色形は周りの歯に近づけています。痛みなどの症状もなく経過は良好です。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年11月16日
今回は、奥歯の治療を行なっていきました。下の写真は治療前のものです。写真中央の歯には銀の詰め物が入っていたのですが、その詰め物が取れています。中は黒い虫歯になっているのが分かります。
虫歯を取っている途中です。歯の中に大きな穴が空いているのが分かります。この穴の中は通常、血液などで満たされているのですがこの歯の場合は中がスカスカになっています。虫歯の部分から菌が繁殖し、神経が死んでしまうとこのようにスカスカになります。このままにしておくと、歯の根の先で菌がさらに増え膿の袋を作ることがあります。そうならないためにも根の治療が必要です。
根の治療を行なっているところです。根の治療中、穴の中に唾液などが入っていくと治療を進めているのですが菌が入り込むため治らないということがあります。そうならないためにも治療中はラバーダムシートを使う必要があります。緑色のシートがラバーダムシートです。このシートを歯の周りに固定すると唾液、呼気が歯に付かなくなります。この状態で治療を行うと菌が入り込むのを防ぐことができ、予後は良くなります。
根の中に薬を詰めました。ピンク色の部分が薬です。この薬を緊密に入れることにより、菌が活動するのを防ぎます。
根の治療があ割ったので歯の形を作っていきます。今回はダイレクトボンディングという方法で治療を行いました。歯に接着する樹脂を使用します。型取りを行わずに直接樹脂を盛り形を作るので、歯を極力削らずに治療を進めることができます。
歯の形を整え終わったところです。ラバーダムシートを外して噛み合わせの調整、研磨を行います。
治療後の状態です。歯の形、色も本物の歯に近くなっています。隙間や段差はないため治療前のように虫歯になる可能性は低くなっています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月13日
今回は、前歯の治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の前歯二本は、他の歯と見比べると短いように思えます。この二本の歯に治療を行いました。
今入っている被せ物を外しました。大きな虫歯にはなっていませんでした。
外した被せ物の代わりに仮歯を作成しました。まだ歯は短いままです。
治療のゴールとなる模型です。前歯二本にロウを盛っていき、理想的な形を作っています。この形に近づけるために今回はクラウンレングスニングという治療が必要になりました。
先ほどの模型から、透明の歯を作成しました。
青い線が理想的な歯の形のラインです。このラインまで歯茎を下げる必要がありますが、単純に歯茎を切り取るだけでは歯の周りの組織のバランスが崩れて腫れが治らなくなります。歯の周りの組織のバランスを保つためには歯茎の中の骨の形も整えなければいけません。このような治療をクラウンレングスニングと言います。
歯茎に透明の歯を被せて、理想的な歯のラインにメスを入れました。
歯茎を切り開き、中の骨が見えるようにしています。理想的な歯のラインと骨の位置関係が適正になるように形を整えます。
骨の形を整えました。歯のラインと骨の位置関係も適正な関係になっています。
仮歯を戻したところです。歯茎のラインは下がっているため仮歯には隙間があります。
歯茎の傷が治り、仮歯の修正を行いました。修正により歯の短さは改善しています。
最終的な被せ物を作成する前に精密な仮歯を作りました。形の最終確認、修正を行います。
横の歯には小さな虫歯ができていたのでダイレクトボンディング治療を行いました。仮歯を外して型取りし、最終的な被せ物を作成します。
最終的な被せ物と取り付けたところです。歯の短さは改善され見た目も問題ありません。
クラウンレングスニングおよびオールセラミッククラウン、ダイレクトボンディング
クラウンレングスニング
33000円×3本
オールセラミッククラウン
187000円×2本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
ダイレクトボンディング
22000円×2本
オールセラミッククラウンは、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年11月7日
今回は、見逃しやすい虫歯治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の歯は問題なさそうに見えます。
内側から写真を撮りました。横の銀の詰め物との間が茶色い虫歯になっています。真上から見ただけでは発見することができない見逃しやすい虫歯です。
虫歯を取り除きました。古い詰め物も同時に取っています。
虫歯を取り終えるとラバーダムシートをお口にかけていきます。この歯をダイレクトボンディングという方法で治療していくのですが、治療中はできるだけ歯を乾燥させる必要があります。ラバーダムシートをお口にかけると呼気や唾液が歯に付きにくくなるため治療には必須です。
金属のリングやオレンジ色の楔を使い歯と歯の隙間に入れている透明の膜を歯に圧接し固定します。
膜に沿わせてコンポジットレジンという白い樹脂を流し込みます。この樹脂は光をあてると固まる素材になっています。
噛み合わせの部分も形を作ります。
治療が終わったところです。内側から見ると治療前の隙間がなくなっているのが分かります。
真上から見たところです。歯の色、形も問題ありません。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。