2018年01月10日
今回は、銀歯の下で広がっている虫歯の治療を行いました。下の写真の真ん中の歯には銀歯が入っていました。その銀歯を外すと、歯のふちの部分から黒い虫歯になり、汚れがたまっているのが分かります。

まずは虫歯になっている部分だけをしっかり取り除いていきました。歯のふちの黒い部分だけでなく、他の部分でも虫歯は進行しており、取り除いたことにより歯自体が小さくなった様に見えます。

今回は、この歯にセラミックの被せ物治療を行なっていきました。虫歯を取り除いたことにより、歯自体は小さくなっており段差も大きいためこのままでは被せ物治療を進めていくことはできません。まずはダイレクトボンディング治療を行い、歯の形を整えていきます。

ダイレクトボンディング治療で歯の形を整えていきました。緑色の幕はラバーダムシートというものです。ダイレクトボンディングで使用する白い樹脂(コンポジットレジン)と歯をしっかり接着させるには水分が歯の表面に付着していないことがポイントになってきます。
お口の中は唾液や呼気で常に湿度が高い状態なのでどうしても歯の表面に水分が付着してしまいます。しかし、ラバーダムシートを使用するとそういった水分が歯に付着することを防ぐことができるため、高い接着力に期待できます。

ダイレクトボンディングを終え、被せ物が入る様に形を整えていきました。凸凹はないシンプルな形になっています。

型取りを行う前に、歯の色を調べていきます。周りの歯の色を参考にして被せ物の色を決めていきます。

歯と歯茎の間に糸を入れています。この糸は、型取りの時に歯の形がよりはっきりとわかる様に入れています。紫色の糸の下には黒い糸が入っています。型取りの瞬間に糸を外し型取り材を流し込みます。

横から見たところです。歯をこの様な形にしています。

型取りを元に作成した模型です。

この模型に合わせて被せ物を作成していただきます。この模型と本当のお口の中がずれてしまうといくら精密に被せ物を作ってもいざお口の中で合わせるとズレているということになります。型取りは治療の制度を決める大切な行程なのです。

模型を横から見たところです。

できた被せ物を入れてみるとこの様になります。

実際にお口の中に取り付けを行いました。
形や色合いも問題ありません。

横から確認すると、隙間や段差はありません。二次的な虫歯になる可能性は低くなっています。

セラミックオンレー
費用16万5千円
リスクとして歯を削る量が多いため痛みが出る可能性と強い力によって割れる可能性がある。
2018年01月6日
今回は、歯の変色を元の白さに戻す治療です。
下の写真は治療前の写真です。左側の前歯は、反対側の歯と比べると色が茶色がかっているのが分かります。今回はこの歯の色を戻す治療を行いました。
この歯が茶色くなったのは、歯の表面の変色や汚れが付着したからというわけではありません。歯の表面の変色や汚れが原因で歯の色が変わった場合、適切な清掃やオパールストラを使用すると色の改善に期待できます。しかし今回の場合は、色の原因は歯の表面ではなく、もう少し内側のところにあるのです。
この変色した歯は以前神経の治療を行なっています。虫歯や強い衝撃を受けることにより歯の中の神経が痛んだり死んでしまったりすると神経の治療が必要になります。治療の際、神経の成分が歯の内側の象牙質という層に染み込むとこの様に色が変色してしまうのです。
元の色に戻すには、変色した象牙質を白くする必要があります。ウォーキングブリーチという方法で治療を行います。

歯の裏側から象牙質の部分に特殊な薬をいれて蓋を行います。下の写真は約1週間後の写真ですが、治療前の写真と比べると色が白くなっているのが分かります。
反対側の歯と比べるとまだ茶色く見えるため中の薬を新しいものに交換し、経過をみていきます。

さらに1週間後です。色はほとんど問題なくなっています。中の薬を取り出し、裏側に開けた穴を塞いでいきます。

鏡で見た裏側の写真です。左側の前歯が治療を行なった歯です。裏側に穴を開けて治療していましたが、ほとんどわからない様になっています。色も問題なさそうです。

ウォーキングブリーチ
費用 6万6千円
デメリットとして若干の色の後戻りが起こる可能性がある。
2017年12月19日
今回は、前歯の治療です。
写真の前歯は特に虫歯が進んでいるわけではありません。歯の表面の色がまだらになっており、白い斑点が目立ちます。この様に歯の表面に現れる白い斑点をホワイトスポットと呼びます。
ホワイトスポットが現れる原因は大きく二つに分けられます。一つはごく初期の虫歯、もう一つは歯の表面にあるエナメル質という層の形成が不完全ということです。歯を形成する段階(まだ歯が生えていない時期)に強い衝撃を受けたり、前の乳歯が虫歯になる、過剰にフッ素を取り込むなどしてしまうとエナメル質の形成がうまく行かずにホワイトスポットとなることがあります。
今回はこのホワイトスポットの治療を行なっていきました。

今回行なった治療はエナメルマイクロアブレージョンという方法です。歯を削ったりするのではなく、エナメル質を薄く一層溶かし、ホワイトスポットを消そうという治療法です。
治療には特殊な薬剤を使用します。今回はオパールストラという薬剤で治療を行なっています。
まずは薬剤が歯以外のところに付着しない様にラバーダムシートというゴムのシートをかけていきます。薬剤は酸性になっているため歯茎や唇などについてしまうとよくありません。この治療を行う場合このラバーダムシートの使用が必須となります。

歯の表面に薬剤を置き、専用の器具を使い歯の表面に塗り広げていきます。

治療後の写真です。ホワイトスポットはかなり目立たなくなっています。一見これで治療が終わった様に見え得ますが、この治療は一回では終わりません。歯の表面をわずかに溶かすため、日常生活で口に入れるものの色がついてしまいます。

しばらくたった時の写真です。少し着色しているのが分かります。ここから再度オパールストラを使用しました。

使用後です。歯の着色はとれ、ホワイトスポットは見えません。この患者さまの場合はもう一度オパールストラを使用しました。

治療後しばらくたった後の写真です。色がつくこともなくなり、白く目立っていたホワイトスポットも無くなっています。
周りの歯との白さを統一するためにも治療後はホームホワイトニングという、マウスピースにホワイトニングの薬材を入れご自宅で使用していただく治療が必要になります。

ホワイトスポット治療
費用 2万2千円×2本
デメリットとして歯が少し薄くなる
2017年12月2日
今回は、亀裂が入り割れてしまった歯の治療です。
写真中央の歯は、被せ物と中の土台を取り除いた状態です。元々はこの歯の上には被せ物が入っていたのですが
痛みや違和感が続き、中の状態を確認しました。
少し分かりづらいですが、この歯には亀裂が入っていました。
歯に亀裂が入ると、噛むたびにその亀裂が開き痛みを引き起こします。痛みがなくても、亀裂のところに細菌が繁殖し、周りの骨を溶かしていきます。
亀裂の程度にもよりますが、歯を抜かなければならないこともあります。

レントゲン写真です。
歯の根が二股に分かれていることが分かります。
大きな亀裂はこのレントゲン写真では確認できませんでした。

今回は亀裂の入った歯を諦め、抜歯を行なっていきました。
抜歯を行い少し経った時の写真です。傷はなくなっています。

レントゲン写真です。
歯はなくなり、骨だけになっています。
今回は、歯を抜いたところに骨が再生してくるのを待ち、インプラント治療を行なっていきました。

インプラント治療は骨の中に、ネジを入れ込みそのネジの上に被せ物をつけ、一本の歯として機能させるものです。
まずは歯で言う所の根っこの役割を担うネジ(フィクスチャー)を骨の中に入れていきます。
フィクスチャーを入れていく際、フリーハンドでは計画している場所からずれてしまうことがあります。
今回は、インプラントガイドというものを作成しました。
このガイドを使うことにより、進む方向は限定されるため、ずれてしまう心配はなくなります。

歯茎を切り、めくっています。下には骨が見えています。

この様にガイドを使い安全にインプラント治療を行なっていきます。

フィクスチャーを入れ終えました。
その上からカバーをつけています。この後は歯肉を元の位置に戻して糸で縫っていきます。

インプラント治療は一日二日では終わりません。
ここから、フィクスチャーが骨とガチッとくっつくのをまち、それから型取りを行い、その後被せ物の取り付けに
なります。

レントゲン写真です。
骨の中にうまっているのが分かります。

傷が治ったところです。
今後、型取りを行なっていくのですが、今のままでは型取りできません。

歯茎を少し開いて、フィクスチャーの上にとりつけたカバーをヒーリングアバットメントというものに交換します。
この形に合わせて歯茎は治癒していき、理想的な被せ物を作ることができる様になります。

レントゲン写真です。
上の方にうっすら見える白い部分が歯茎のラインです。
ヒーリングアバットメントの先は歯茎の上に出ているのが分かります。

傷口は綺麗に治っています。
フィクスチャーも骨とうまく結合しているので型取りを行います。

ヒーリングアバットメントを外し、代わりに型取り用の棒を
取り付けていきます。この棒をインプレッションコーピングと言います。
この棒を型取りすることにより、骨の中にフィクスチャーがどの様に入っているか模型にすることができます。

できた模型上で被せ物を作成していただきました。
真ん中に穴が空いているのが分かります。
この穴に小さいネジを入れ込み固定します。
何か問題があった場合はネジを外すことで被せ物をとり外すことができます。

レントゲン写真です。
フィクスチャーの上に歯が立ち上がっています。

被せ物を取り付けてから暫くは、穴の部分は仮の蓋で覆います。
噛み合わせの問題や、痛みが出ないことを確認したのち、コンポジットレジンという素材で穴をしっかりと埋めていきます。
下の写真は治療終了時の写真です。穴は目立たない様になっています。何かあった時は取り外すことができるためしっかりと対応をすることができます。

インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2017年11月4日
今回は、前回に引き続き白い被せ物治療の症例です。
前回は下の歯の治療を紹介したので、今回は噛み合わせの歯の
上の歯の症例を紹介します。
治療前の状態です。
奥歯二本にはすでに白い被せ物治療がしてあります。
今回は、下の歯との噛み合わせを改善するため
この被せ物のやりかえ治療を行いました。

まずは、古い被せ物を外していきました。
中は大きな虫歯にはなっていないように見えます。
しかし、奥の歯茎に埋もれている箇所は境目がはっきりしていません。
ということは、精密にセラミックを作ることができません。

被せ物のところはそんな状態で、更に手前の歯が虫歯に
なっていました。
このように被せ物を外してみると、隣の歯が虫歯に
なっていたということがよくあります。
歯と歯の隙間は汚れが貯まりやすいところで、歯ブラシだけでは
この隙間の汚れを取りきることは難しのです。
フロスや歯間ブラシなどを併用し、磨き残しをなくすことが
大切です。

虫歯の治療を行い、奥歯の形を整えていきました。
歯茎が赤くなっており、この状態では型取りがうまく
できないため、少し時間を置き歯茎の状態の改善を
待ちます。

後日の写真です。歯茎の赤みは改善しています。
これで奥の境目がはっきりとわかります。
歯と歯茎の間に黒い糸を入れていき、精度の高い型取り
ができるように準備を行います。
この糸を入れることにより、歯と歯茎の境目がはっきり
するようになります。そうすると、境目や段差のない
被せ物を作りやすくなるのです。

さらに一回り太い糸を歯の周りに入れています。
この糸を入れることにより、さらに歯と歯茎の境目が
明瞭になります。

型取りしたものの写真です。
変形の最も少ないシリコン印象材を使用しています。
難しい奥の境目にもしっかりとシリコンが入り込んでくれています。
この型取りに石膏を流し込み、お口の中の模型を作ります。

作成した模型です。
歯科技工士さんにこの模型に合わせた被せ物を作っていただきます。

できた被せ物を取り付けしました。
治療前の被せ物と比べると、歯の凹凸がはっきりとしており、
理想的な噛みあたりとなります。
段差や隙間もない被せ物になっていますので予後は良好です。

オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×2本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2017年10月31日
今回は、白い被せ物治療を行なった症例です。
治療前の写真です。
二本の歯が並んでいますが、後ろの歯は詰め物がとれて
しまっています。手前の歯にはまだ詰め物がついて
いますが、表面のすり減りが大きく治療が必要な
状態です。
今回は、この下の二本の歯と噛み合わせの歯に当たる
上の二本の歯を治療しました。
症例としては、先に下の歯をお話します。
後日上の歯もお話しいたします。

まずは手前の歯の詰め物を外していきました。
所々黒くなっており、虫歯があることがわかります。

二本の歯の虫歯を取り除いていきました。
まだ少し黒いところが残っていますがここは虫歯ではないため
とる必要はありません。

虫歯をとり終えてできた歯の穴を塞いでいく必要があります。
歯に直接白い詰め物をつけていきます。
つけていく作業では歯に水分がついていると詰め物がうまく
くっつきません。
水分がつかないようにするために、このような
緑色の膜をはり、治療します。

白い詰め物で虫歯を取り除いてできた穴を埋めました。
緑色の膜を使ってから詰め物をしているので、しっかりと
くっついています。

膜を外してから、形を整えていきます。
被せ物が入るようにしてから型取りをしていきます。
型取りでは、歯の形も大切ですが、歯茎の状態も
大切です。
写真の歯茎の状態ではしっかりとした型取りはできないため
歯茎の治りを待って後日型取りを行います。

後日の状態です。
歯茎も治っています。精密な型取りを行うために
歯と歯茎の隙間に黒い糸を入れています。

型取りしたものの写真です。
型取りではお口の中にどろっとした材料を入れて
その材料が固まるのを待ちます。
固まった後にお口の中から外し、写真を撮りました。
型取りの材料にも色々と種類があります。
外した後に変形してしまうものでは精密な治療は
できないため、極力変形が少ない材料を選んで使っています。

型取り材に石膏を流し込んで、お口の模型を作りました。
この模型に合わせて歯科技工士さんに被せ物を作ってもらいます。

取り付けた後の写真です。
歯茎を少し扱っているため、やや赤みがかっています。
歯の凸凹や形は本物の歯を再現しています。
今回取り付けた被せ物は白いだけではなく、精度も良好なため
段差や隙間が全くありません。
段差や隙間がないので、汚れがつきにくく、虫歯にも
なりにくいのです。

後日の写真です。
歯茎の赤みはなくなっています。
噛み合わせも理想的となっております。

オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×2本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2017年10月17日
今回は、前歯の被せ物治療を行なった症例です。
治療前の写真です。
一見しただけでも、左上の前歯が他の歯と違うのがわかります。
この歯は以前被せ物治療がされている歯なのですが、
形や色が他の歯と違っています。
また、歯茎と被せ物に隙間が空いているので、淵のところが
黒く見えます。

前歯を拡大したところです。
隙間がよく見えます。
今回はこの被せ物を外して、オールセラミッククラウンを
使った被せ物治療を行い、見た目の改善を図りました。

古い被せ物を外し、一時的な被せ物を作成しました。
後日、型取りを行なっていきます。
歯の色は白ですが、その中でも微妙な明るさや色の濃さ
があります。
このような色のモデルとなっている歯と見比べていき
どの色が一番近いかを探していきます。

治療でお口を開けたままにすると、歯の色が通常よりも
白くなります。その白くなっている状態の歯に色を
合わせてしまうと、出来上がった被せ物の色が合っていない
ということになります。
なので、こういった色合わせはその日の治療が始まる前に
調べておくことが重要です。

黒い板をお口の中に入れて写真を撮っています。
このようにすると、後ろに舌などが入り込まなくなるため
見比べがしやすくなります。

仮歯を外したところです。
このように歯を一回り小さくなるように形を整え、
この上から被せ物が入るようにしています。

上から見たところです。
ぐるっと一周歯が削ってあるのがわかります。
歯の周りには黒い糸を入れています。
ここからは型取りを行なっていくのですが、歯どのくらいのいちで
どれくらい削っているかを正確に型取りできなければ、
出来上がる被せ物の精度も悪くなってしまいます。
歯の周りに糸を入れると周りの歯茎が少し広がり、
精密な型取りができるようになります。

黒い糸の上から、もう少し太めの黄色い糸を
入れていきます。ここで押し広げた歯茎の隙間に
型取り材が入り込むようにしていくのが大切です。

上から見たところです。
型取りの瞬間に太い糸は外すため、引っ張れるように
先をはみ出させてあります。
ここまで準備してから型取りを行います。

型取りしたもの、色の写真を元に技工士さんに被せ物を
作成していただきました。
取り付けたところの写真です。
他の歯とほとんど変わらず、見た目も改善しています。

オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。