2018年10月27日
今回は見落としやすい虫歯の治療を行ないました。
下の写真は治療前のものです。写真中央の歯には虫歯治療をした後があります。やや、黒くなっているところはありますが大きな問題はなさそうに見えます。
左側の歯との隙間を削っていくと、中は黒い虫歯になっていました。目や写真で確認するだけでは見落としてしまうかもしれません。レントゲン写真と見比べていくことで見つかる虫歯もあります。
虫歯の部分、古い治療の部分を取りきりました。
左側の歯も確認すると、小さいですが虫歯になっていました。この部分も同時に治療していきます。
緑色のラバーダムシートに穴をあけ歯だけが出るようにします。こうすることで呼気や唾液が治療部位に付着するのを防ぎます。
歯と歯の隙間の形は、セロハンの膜を歯に沿わせて型を作ってから修復します。
歯の形を作り終えたところです。歯は乾燥すると色が白っぽくなり、治療した部分との境目が少し目立ちます。
治療後、歯の乾燥がなくなると、色も馴染みほとんどわからないようになります。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年10月22日
今回は、奥歯の銀の詰め物を外しダイレクトボンディング治療を行いました。
下の写真は治療前のものです。奥の歯二本には銀の詰め物が入っています。
まずは手前の歯の詰め物を外していきました。大きな虫歯にはなっていませんでしたが、詰め物との間に隙間があったせいか黒い汚れが入り込んでいます。入り込んだ汚れは詰め物を外さない限り取り切ることはできないため、この状態を放置しておくと虫歯が広がっていきます。
黒い汚れ、表面の虫歯を取り除きました。ここから歯に直接白い詰め物を接着させていき歯の形を回復していきます。
歯の形や凹凸、色を再現していきます。直接歯に接着しているため歯と詰め物の間に隙間はありません。
手前の歯の治療後です。奥の歯も同じようにダイレクトボンディング治療を行なっていきました。
奥の歯の銀の詰め物を外したところです。手前の歯よりも汚れている範囲が大きいように見えます。
表面の汚れを取りきり虫歯検知液を使用しました。ピンク色に染まっている部分は虫歯になっています。詰め物の隙間から汚れが入り込んでしまったのが原因なのですが、再度銀の詰め物治療を行なってもまたこのように虫歯になる恐れがあります。再治療を繰り返すと歯を削る量は多くなっていき歯が悪くなりやすくなります。
虫歯を全て取りきりました。虫歯検知液を使用してもピンク色に染まる部分はありません。
ダイレクトボンディングを行いました。
噛み合わせの調整を行い、磨いたところです。どちらの歯も特に問題はありません。この歯に再治療が必要になる可能性は低くなっています。審美性も改善しています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年10月19日
今回は、前歯の被せ物治療を行いました。
下の写真は治療前のものです。前歯はすでに被せ物治療がしてありますが、歯茎との境目の黒い線が目立ちます。また、右側の歯茎に白いできものができています。今回は、前歯二本と、右側の歯一本の治療を行っていくことになりました。
まずはすでに入っている古い被せ物を外していきます。中には金属製の土台は入っていました。歯の淵の部分は黒い虫歯になっています。
金属の土台を外して虫歯も取り除きました。
下から見るとこの様になっています。歯の根の部分に穴が開いています。
次に右側の歯の被せ物を外していきました。歯茎の中の方まで虫歯になっています。歯茎の白いできものも、この歯の状態が悪いためできていました。
虫歯を取りきり歯として使うことは難しいと判断し右側の歯は抜歯を行いました。出血があるため色をグレーにしています。
傷が治る間は仮歯で様子を見ていきます。事前に最終的な歯の形の模型を作っています。この歯の形に近づける様に仮歯を作成します。
土台を外した前歯の模型です。歯を被せていくには新しい土台が必要です。
今回はファイバーコアという土台を選択しました。金属の土台と比べ歯の根を悪くさせにくいと言われています。金属の土台を入れた場合、被せ物をつけるとうっすらと色が透けてしまうことがありますが、ファイバーコアの場合、歯の色に近いため目立ちません。
土台の上から取り付ける仮歯です。
実際にファイバーコアを取り付けしました。
土台の上から仮歯を取り付けました。抜歯を行なった部分は、傷が治るにつれ歯茎の形も変わっていきます。理想的な歯茎の形になる様に仮歯でコントロールしていきます。
傷が治りました。歯茎の形はコントロールされ、被せ物を入れた時に歯が生えている様に見えます。
精度の高いシリコンの型取り材を使用し、型取りを行います。歯の色合わせのための写真などを一緒に技工士さんの元に送り、最終的な被せ物を作っていただきます。
出来上がった被せ物です。
実際にお口の中に取り付けたところです。歯の色、形ともに問題ありません。精度も高いため治療前のような隙間はありません。抜歯を行なった部分も歯が生えているように見えます。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×3本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年10月13日
今回は、 インプラント治療を行いました。
下の写真は治療前の状態です。中央の歯は銀歯が入っており痛みや不快感がありました。
レントゲン写真です。歯の根の中に白い線が見えますが、根の中に入れたお薬が映ったものです。お薬が入っているという事で根の治療はしてあるのですが、よく見ると根の周りが黒っぽくなっている様に見えます。根の周りに汚れが繁殖しているとこの様に黒く映ることがあります。根の際治療を行い、汚れを取り除くことになりました。
被せ物を外してラバーダムシートをかけていきました。シートを使用することにより根の治療中に汚れが入り込むのを防ぎます。
土台を外したところです。
拡大してみて見ると、歯の中に赤い部分が見えます。この部分はパーフォレーションといって歯に穴が開いていました。パーフォレーションの起こった歯は予後が悪く、痛みや不快感もこの部分が原因であると考えられました。
パーフォレーションの部位に特殊な薬を詰めていきました。
レントゲン写真です。白っぽい薬が丸く映っているのが分かります。この後しばらく経過を見ましたが症状は改善せず、抜歯を行うこととなりました。
抜歯を行いました。この部分にはインプラント治療を計画しているため、抜いた後は歯茎や骨の再生を待ちました。
抜歯後の傷が治ったところです。
レントゲン写真です。
事前に作成しておいたインプラントガイドを使用してインプラント治療を行います。インプラント治療は骨の中にインプラント体というネジを埋め込んでいくのですが、フリーハンドで治療を行うと事前に計画していた位置からズレてしまう恐れがあります。インプラントガイドを使用すれば計画した方向にしかネジが進んでいかないため、ズレる恐れが無くなります。
インプラントの埋め込み治療が終わりました。骨とくっつくのを待ちます。
レントゲン写真です。ネジの様なギザギザが見てとれます。
しっかりと骨と結合したことを確認し、被せ物を作っていきます。被せ物自体に穴が開いており、小さなネジでインプラント体に固定できる様になっています。
穴を樹脂で埋めて治療終了です。以前の痛みや不快感もなくなっています。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2018年09月22日
今回は、セラミックの被せ物で歯の形を回復していきました。
下の写真は治療前のものです。中央の歯は下半分が大きく欠けているのが分かります。以前、被せ物治療がされてあったのですが外れてしまいこの様になっています。
ピンク色の虫歯染色液を使い、虫歯の部分だけを染め出しました。黒い部分はあまり染まってはおらず、一見虫歯には見えない白い部分がピンク色に染まっているのが分かります。
ピンク色に染まった虫歯の部分だけを取りきりました。黒い部分は残っていますが、虫歯ではないので取り除く必要はありません。
緑色の膜をお口にかけて、呼気や唾液が歯の表面につかない様にしています。
この状態で歯の形を整えるため、ダイレクトボンディングを行います。歯の表面に直接樹脂を接着させる方法のため、緑色のラバーダムシートで歯を乾燥させる必要があります。
ダイレクトボンディング後は、歯の形を削り整えます。
型取りを行う前に歯の色合わせを行ないます。周りの歯の色を参考にして行います。
型取りしたものの写真です。黄色と紫色の二つの型取り材を使用し、精度の高い型取りを行います。
型取りを元にできた模型です。
この模型にあう被せ物を歯科技工士さんに作っていただきます。
できた被せ物を取り付けしたところです。見た目、精度とも問題なくできています。
セラミックオンレー
費用16万5千円
リスクとして歯を削る量が多いため痛みが出る可能性と強い力によって割れる可能性がある。
2018年07月28日
下の写真は治療前のものです。
写真中央の歯は銀の詰め物が外れてしまっています。中をよく見ると黒っぽい虫歯になっているのがわかります。
外れてしまった虫歯をお口の中に戻したところです。この状態からは銀の詰め物の下では虫歯が広がっているとは分かりにくいです。今回たまたま詰め物が外れて虫歯を発見できましたが、隣の歯の詰め物の下も同じような虫歯になっている可能性があります。
詰め物を外して虫歯を取り除いたところです。虫歯だけが染まる染色液を使い取り残しがないようにしていきます。
虫歯をとり終えると、緑色のラバーダムシートをお口にかけていきます。治療部位が見やすくなるだけでなく治療の精度も向上します。
歯の形を回復するためにセロハンの膜や楔を使います。これらで作った壁に沿ってコンポジットレジンという白い樹脂を流し込んで固めます。
歯の形ができました。ここからはラバーダムシートを外して、噛み合わせの高さの調整、研磨を行います。
治療後の写真です。左右の銀の詰め物は歯と詰め物の間に段差や隙間がありますが、今回治療した歯にはありません。治療跡から汚れが入り込む心配もないので左右の歯と比べると悪くなりにくくなっています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年06月5日
今回は、インプラント治療を行いました。
下の写真は治療前のものです。歯が一本ありません。この状態を放置すると隣の歯が傾く、噛み合わせの歯が飛び出すなどし噛み合わせ自体が悪くなります。そうなる前に隙間には歯を作る必要があります。
この隙間に歯を作るには三つの方法が考えられます。部分的な入れ歯、ブリッジ、インンプラントです。部分的な入れ歯を作る歯が傾くことは止めることができますが、噛むたびに沈み込むため噛む力としては弱くなります。ブリッジは左右の歯を削る必要があり、この場合は適切な治療とは言えません。インプラント治療は外科的な侵襲や治療期間はかかりますが治療後はしっかりと噛むことができ、周りの歯も傷つけない方法です。
今回は、ステントという器具を作成して治療を進めました。事前に計画した場所にインプラント治療ができるように方向を示す穴が空いています。
歯茎を切り、中の骨が見えるようにしていきます。
少しづつ穴を開けていきます。計画したとうりに治療を進めることができています。
インプラントを埋め込んだところです。
ネジ穴にカバーをつけて縫合を行いました。
しばらくすると歯茎を切った跡も無くなります。
レントゲン写真です。骨の中にインプラントが入っているのがわかります。
仮の歯を作成して、問題ないか確認していきます。
問題はなかったため、被せ物を作るための型取りをおこないます。写真のような模型を作成して、これにあった被せ物を作っていただきます。
被せ物ができました。真ん中に固定するための穴が空いています。この穴にネジを入れ込み、骨の中のインプラント本体と固定します。
お口の中に取り付けを行いました。穴の部分には樹脂で蓋をしています。周りの歯と見比べてもわかりにくくなっています。
取り付け後のレントゲン写真です。しっかりと骨と結合しているため、しっかりと噛むことができます。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2018年05月26日
今回は、二本の歯のダイレクトボンディング治療を行いました。下の写真は治療前のものです。一番奥の歯には銀の詰め物治療がされています。手前の歯には白い詰め物が入っているように見えます。
まずは、奥の歯の銀の詰め物を取り除いていきました。大きな虫歯はないように見えます。
角度を変えて手前の歯との隙間を確認しました。手前の歯は虫歯になっていました。
手前の歯の白い詰め物を取り外していきます。下には黒くなった虫歯が見えます。
詰め物、虫歯を取り除きました。虫歯染色液を使用し、取り残しがないことを確認しています。
通常の銀の詰め物治療とは異なり、ダイレクトボンディングは型取りを行わない治療法です。基本的には一回の治療で終了します。虫歯除去後は緑色のラバーダムシートと言われる幕を歯にかけていきます。このシートを使用することにより治療部位が見やすくなるだけでなく、唾液、呼気が歯に付着しなくなるため治療精度が向上します。
歯の形を再現するため、様々な器具を使用します。この形に直接詰め物治療を行なっていきます。
奥の歯の形を整えた後は、同じように手前の歯の治療を行います。
使用する詰め物の色も歯の色に似たものを使用しています。治療中は歯自体が乾燥し白くなっているため色の違いが少しわかります。
後日確認した時の写真です。歯の色も元に戻っているため、詰め物との境目も目立ちません。直接詰めていく方法なので、小さな隙間はできにくく治療箇所から虫歯になる可能性は低くなっています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円 7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年05月22日
今回は、ブリッジを外して治療を行なっていきました。下の写真は治療前のものです。被せ物がしてあります。よく見ると全て繋がっています。真ん中の二本の部分は歯がなく、右と左奥の歯で四本分を支えるブリッジという形になっています。
ブリッジを外しました。真ん中の二本の部分は歯がないことがわかります。二本の歯で四本分の力を支えるとなると、支える歯には大きな負担がかかります。今回は歯のない部分にインプラント治療を行い、負担を減らしていきました。
まずは、ブリッジの下で虫歯になっていたところを取り除き、形を整えました。
外したままの状態では治療を進めている間お食事がしにくくなるため、仮歯を取り付けます。
今回はインプラントガイドという装置を使用し、インプラント治療を行いました。治療前にどの位置にどれくらいの深さでインプラントを入れていけばいいのかを決め、その位置に正確に埋入できるようにガイドを作成します。ガイドを使用した状態では事前に決めた方向、深さまでしかインプラントを埋入できないため、ずれてしまうことが少なくなります。
インプラントを埋入したところです。
インプラントに丸いカバーをつけて糸で縫合していきます。
仮歯の形を修正してしばらく時間をおきます。
インプラントは骨と結合し、歯茎の傷もなくなっています。この状態から型取りを行います。
型取りしたものから作成した模型です。この模型に合わせた被せ物を作っていただきます。
できた被せ物です。インプラントの部分の被せ物には穴が空いています。これはインプラントと被せ物を固定するためのネジ穴です。万が一インプラントに問題が起きた場合被せ物の除去が容易になります。
お口の中に取り付けを行いました。ネジ穴はコンポジットレジンで埋めています。両奥の歯にはオールセラミッククラウンが入っています。それぞれの歯が一本ずつの力を負担するので、両奥の歯が悪くなりにくくなっています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×2(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
インプラント治療
528000円×2本(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2018年05月12日
今回は、根管治療後に被せ物治療を行いました。
下の写真は治療前ものです。銀歯が入っていますが、細かい傷が目立ちます。歯の形も凹凸が削れて無くなっています。目に見える部分だけではなく、歯の根っこには汚れが溜まっていました。
まずはラバーダムシートを使用しながら根管治療を行います。通常根管治療は入っている被せ物は全て外して行いますが、被せ物を全て外すとラバーダムシートを取り付けるのが難しくなります。今回は、歯の中心にのみ穴を開けて治療を行いました。ラバーダムシートを使用すると治療部位が見やすくなる、唾液や血液が入りにくくなるなどの利点が生まれます。根管治療は細かい治療です。治療部位を見やすくすることにより精度が向上します。唾液などが入り込むのを防ぐ効果もあるため、細菌が入り込むのを防ぐことができます。ラバーダムシートを使用することにより治療の成功率は上がると言われています。
オレンジ色の薬を取り除き、根管内を綺麗に清掃します。その後、再度薬を詰め直します。
古い被せ物は取り外して、中に土台を入れました。歯の形を整えて型取りを行います。歯の周りに黒い糸が入っています。この糸を入れることにより、歯茎と歯の境界がわかりやすくなります。
型取りしたものです。精度の高いシリコーン製の型取り材を使用しています。
被せ物を取り付けました。横から見ても隙間などはありません。
歯の色、形も天然の歯に近づけて作成しています。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。