2021年10月5日
笑った時、口を開けた時に
銀の色が見えることを気にする患者様は
多くいらっしゃいます。
虫歯になってしまった歯に
詰め物をしたり、被せ物を被せるのですが、
歯の状態や虫歯の深さによって
詰め物の大きさや、種類が変わってきます。
今回は銀の詰め物が入っている歯を
治療して、歯を必要最小限削った後に
白い被せ物で治療した症例を
ご紹介いたします。

この患者様は銀の詰め物を白くしたい、
とのことで来院されました。

レントゲン写真より、詰め物の下に
虫歯を認めます。

詰め物を除去した際の写真です。
詰め物の隙間から汚れが入り込み、
内部が虫歯になっています。

虫歯を完全に除去した際の写真です。
ラバーダムという青いゴムのシートを
使用することで治療の精度が上がります。
また、歯を削った際の削りかすが
のどの方へ流れ込んでしまうのも防ぎます。

銀の詰め物が入っていた歯の
両隣の歯がともに虫歯になっていたので、
虫歯治療を同時に行なっています。


虫歯を完全に除去した後は
コンポジットレジンにて土台を建て、
歯の形を整えます。
ラバーダムを使用することで
唾液や血液に歯が汚染されてしまうことなく、
綺麗な状態で土台を作ることができます。


被せ物の型取りが終わった後は
両隣の歯が倒れてこないように
仮歯を装着します。
治療の間でも患者様が清掃しやすいような
形態に仮の歯の形を整えます。


出来上がった被せ物がこちらです。

汚れが歯の表面に付着していると
被せ物が歯とうまく接着しないため、
青色の染め出し液を用いて
汚れが付いていないか確認します。

被せ物を歯に接着する際は
先ほど説明したラバーダムシートを
使った上で被せ物を付けていきます。
お口の中の湿気や血液などを
取り除くことができ、
被せ物が歯にくっつきやすくなります。

接着前に再度、歯の表面を綺麗にします。

周りの歯に接着剤が付着しないように
テープで歯を覆います。

被せ物の内面も綺麗にすることで
より接着しやすくなります。


実際にお口の中で
被せ物を取り付けた時の写真です。
歯と被せ物の隙間は
ほとんど認められず、他の歯と比べても
色、形ともに自然な見た目となっています。

装着して半年後の写真です。
時間が経過しても被せ物の劣化、変色等は
認められません。
セラミックオンレー
費用16万5千円
リスクとして歯を削る量が多いため痛みが出る可能性と強い力によって割れる可能性がある。
2021年09月3日
歯が割れてしまうと
噛むときに痛みを感じたり、
歯ぐきが腫れるといった
症状が出ることがあります。
割れてしまった歯は残念ながら
抜歯となってしまうことがほとんどです。
今回ご紹介するのは
割れてしまった歯を抜歯し、
インプラントで治療した症例です。
前歯の治療となると
笑ったときや口を開けた時などに見えるため、
治療が終わった後に歯がない訳にはいかず
何らかの歯を取り付ける必要があります。

この患者様は噛んだときに痛い、
ということで来院されました。
見た目は変わった感じは
なさそうですが・・・

レントゲン写真から、土台の方向が
少しずれています。
歯に無理な力がかかると
歯が割れてしまう原因になります。




被せ物と土台を外すと中は虫歯が進み、
歯の根っこにヒビが入り、割れていました。
当初は歯を残す予定でしたが
患者様と話し合った結果、
抜歯してインプラントにて
治療することとなりました。



お口の中を光学印象でスキャンし、
インプラントを埋入する位置や深さ、角度を
コンピューター上でシミュレーションします。


得た情報を元に、インプラントガイドを
作製します。
ガイドを利用することでインプラントを
正確に埋入することができます。

抜歯の際、歯の根っこの一部を抜歯せずに
意図的に残しています。
歯を全部抜いてしまうと、
周囲の組織が吸収してしまい、
歯ぐきが痩せてしまいます。
この歯を一部残す事で
周りの骨や歯肉の吸収を抑え、
自然な歯ぐきの厚みを確保できます。
全部抜歯しないので腫れや痛みも軽減でき、
見た目もいいインプラント治療ができます。


ガイドを用いてインプラントを埋入しました。
よく見るとインプラント体の上側に
歯が一部残っていることがわかります。
その後は、歯がないと困るので
その日のうちに仮の歯を製作して
土台に装着します。



完成した仮の歯がこちらです。
口を開けた時などに違和感を感じない様、
色、形を調整しています。



治療途中の歯ですが仮歯を入れることにより
見た目が気にならないようにしています。
歯ぐきの状態が落ち着いてから
インプラントの上部構造の
製作に取りかかります。


型取りとスキャンを行い、
歯が理想的な形になるようコンピューター上で
シミュレーションし、模型上で再現します。

左が仮歯、右が最終的な被せ物です。
事前に仮歯の形を参考にして
患者様の希望と照らし合わせながら
被せ物の色、形を決定します。

インプラントをネジで固定した後の写真です。
見た目は他の歯と遜色なく、
もちろん噛んだ時の痛みも全くありません。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2021年08月21日
前歯のインプラント治療は大変難しく
術前のシビアな診断と
繊細な治療が求められます。
前歯の長さや幅などが
ともに左右対称でないといけません。
また歯の形、色、凹み等、
年齢や生活習慣によって変化した歯を
再現しなければなりません。
これには、術後のお口の中を
完全に予測できる想像力(診断力)と
想像した通りに治療できる技術が
絶対に必要となってきます。
今回は、残念ながら右上の前歯を
抜歯しなくてはならなくなった方について
お話ししていきます。
下のお写真ですが、術前と術後です。
右上の前歯を抜歯して
インプラント治療をしています。
ほぼインプラントで治療しているとは
わからないのではないでしょうか。


前歯には神経の治療がしてありました。
この歯にヒビが入ってしまっていて
残念ながら抜歯が必要という状況でした。
レントゲン写真の術前術後です。
下のレントゲン写真には
インプラントが入っています。


下の写真は術前のお口の写真です。
一見そんなに問題ない様に見えます。

しかし、横から見てみると
歯と歯の間に大きな隙間が空いています。

以前歯をぶつけて神経の治療をしました。
その際に、歯にヒビが入っていたのでしょう。
残念なことに骨が痩せてしまっています。

このまま抜歯してインプラント治療すると
歯の根っこの部分の歯ぐきが
大きく痩せて凹んでしまいます。
そこで差し歯を外した後に仮歯を入れて
その仮歯を矯正によって引っ張りだします。
この矯正によって周りの歯ぐきや骨も
本来の状態に回復し
ボリュームのある自然な歯ぐきが
できるのです。
これは簡単な矯正治療で
1〜2ヶ月ほどで終了します。




矯正によって環境が整ったら
インプラントの準備をしていきます。
インプラント治療で最も大事なのは
術前の診断です。
どの様な形の歯を作るかによって
インプラントを骨に埋め込む
位置や深さが全く違ってくるのです。
下の写真の様に
先に歯の形を決めた後に
シミュレーションしていきます。


レントゲンCTのデータと
照らし合わせながら
インプラントを埋め込むのに
ベストな位置を決めていきます。

こういったシミュレーションを行い
下の写真の様なインプラントガイドを
作製します。



このインプラントガイドを使用して
インプラントの穴を開けていくのですが
ガイドのレールに沿ってドリルが動くので
ほぼ狂いなく想定通りの穴を開けられます。

インプラントを埋め込んだ際の写真です。
ここではまた別に
『ルートメンブレンテクニック』
という処置も施しています。

インプラントを埋め込んで数ヶ月後に
型取りを行なって
インプラントを取り付けます。
正面から見ても、横から見ても
自然な歯に見えます。


レントゲンでもしっかりとインプラントが
骨と結合しています。

数ヶ月経過しましたが、
いい状態を保っています。

インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2021年08月4日
噛むと痛い、
歯茎が腫れているといった症状があると
歯が割れてしまっている可能性があります。
歯はもともと人間の体の中で
一番硬いといわれています。
硬さの基準であるモース硬度と
言うものがありますが、
地球上でもっとも硬いのが
ダイヤモンドで硬度が10になります。
歯(エナメル質)は
硬度が7といわれているようです。
よほどのことがない限り
歯が割れるといったことはありませんが、
歯に過度な負担がかかると
歯が割れてしまうことがあります。

この患者様は噛んだ時に痛い、
ということで来院されました。
お口の中にはブリッジが入っており、
外れかけていました。


レントゲンを撮影したところ、
手前の歯の根の先の方に
炎症があります。

ブリッジを外すと
手前の歯に亀裂が入っていました。
ブリッジは3本分のスペースを
2本で補うため、土台となる歯に
大きな負担がかかります。
歯が割れてしまうと
歯を残すことが大変難しくなるので、
患者様とよく話し合った上で
手前の歯を抜歯し、インプラントを
埋入することになりました。

手術前にCTを撮影し、
骨の厚さや神経、血管、副鼻腔の位置を
細部まで確認します。
CTのデータを利用して
インプラントを埋入する位置や深さを
コンピューター上でシミュレーションし、
インプラントガイドを作製します。
このことにより安全性はもちろん、
術前の計画と寸分の狂いもない
正確な施術を行うことができます。
また、手術時間の大幅な短縮にもつながるので
患者さんの負担がとても軽減します。


歯を抜歯した後、事前に作製しておいた
インプラントガイドを
お口の中にはめ込みます。
ガイドを使うと
術前の計画通りの方向にしか
器具が進まないので、
安定したドリリングを行うことが出来、
大変精度の良い治療が行えます。


計画した部位に
インプラント治療をしていきました。
ここから歯茎が治るのと
インプラントが骨と結合するのを待ちます。

歯茎も治り、
インプラントも骨と結合したようです。
インプラントの上につける
被せ物を作る準備を進めていきます。

型どりをし、出来上がったものを
お口の中に取り付けていきました。
歯の中心の穴は被せ物を固定するための
ネジ止めの穴です。
今回はネジで固定するタイプの
被せ物を作っています。
この他に接着剤で固定するタイプもあります。

インプラントの部分の中心の穴は、
コンポジットレジン(樹脂)で埋めています。
万が一何か問題がでた場合でも
樹脂を外すことで
簡単にインプラントのメインテナンスを
行うことが出来ます。
インプラント治療
528000円(インプラントガイド、インプラント埋入手術、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
デメリットとして、インプラントは清掃不良や噛み合わせの力が強くかかるとインプラント周囲炎を起こす可能性があり、インプラントとオールセラミッククラウンを固定しているスクリューが緩む可能性もある。
2021年07月19日
今回は見た目や精度に問題のある差し歯を
オールセラミックスで治療した症例を
ご紹介いたします。

この患者様は、
上の前歯の被せ物の黒ずんだ境目と、
色や大きさが気になるとのことで
来院されました。

上の前歯の裏側は金属であり
表面だけ白くコーティングされています。
銀の差し歯は時間が経過するとともに
歯との間に境目が生じてしまったり、
表面のプラスチックが
変色してしまうのです。

差し歯を外すと
中がとても感染して汚れており、
全体的に虫歯になっていました。

土台を外して新しく土台を立てます。

歯茎の下の方まで削る必要があるため、
特殊な糸を歯茎の中に入れています。
この糸を入れることで
歯を削る際に歯茎を傷つけることを防ぎ、
より精密な型取りをすることができます。
これを歯肉圧排と言います。

仮歯を入れた状態で、
他の歯との色合わせをしていきます。

セラミックスを入れた後の写真です。
以前と比べて、歯の色や形が
より自然なものになっています。

術前です。

装着して半年経過後の写真です。
時間が経過しても
変色などは起こりません。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×2(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2021年05月31日
歯の変色の原因はいくつかありますが、
今回はホワイトスポットの治療について
ご紹介したいと思います。
ホワイトスポットとは、歯の表面にできた
白いシミの様な白濁のことです。
原因として初期の虫歯によるものや、
エナメル質形成不全(永久歯が生える段階で
エナメル質が完全にできない状態で生えた状態)
によるものがあります。
白くなっている部分だけを削り取り、周りの歯と
同じ様な色の詰め物で埋めていくといった
治療も可能ですが、歯に対するダメージは
大きくなります。
できるだけ削らずに治療を行うために
オパールストラという材料を使って治療していきます。
オパールストラは酸性の液の中に研磨剤が
入っています。
酸性の液で歯の表面の色のついたエナメル質を
一層溶かし、研磨剤で綺麗に磨いていきます。
治療後は歯の表面がやや弱くなっているため、
フッ素を塗って終わることが重要です。

初診時の写真です。
上の前歯が一本だけ白濁していることがわかります。

オパールストラ治療を行なった後の状態です。
一回の治療で少し色は目立たなくなりました。

二回目の治療後の写真です。
初めの頃と比較してホワイトスポットが
薄くなっていることがわかります。


三回目の治療後の写真です。
ホワイトスポットはほとんど違和感がないほどに
目立たなくなっています。
周りの歯の色との調和を図るため、
お家で行う歯のホワイトニングを
していただいています。




ホワイトスポット治療
費用 2万2千円
デメリットとして歯が少し薄くなる
2021年04月20日
今回は当院で行っている矯正治療について
ご紹介いたします。
当院ではワイヤーを使わないマウスピース矯正を
導入しております。
利点として、
1)口腔内を健康に保つことができる
マウスピースは取り外し可能なため、治療中でも
簡単に歯のお手入れができ、口腔内を健康に
保つことができます。
2)治療中でも目立ちにくい
マウスピースは透明な素材を使用しており
目立ちにくく、
歯列矯正中であることを
周囲にほとんど気づかれずに装着可能です。

3)装着感がよく、予測実現性に優れている
インビザライン・アライナ―の
革新的なテクノロジーや機能、素材により、
装着感が良く、予測実現性にも
優れた歯列矯正を行えます。
4)通院回数を減らせる(症例にもよります)
インビザライン・アライナ―は、
メンテナンスが少なく、
通院は4-6週間ごとに一度なので、
ご多忙な方にとって理想的です。

当院の症例をご紹介させていただきます。



上の歯、下の歯ともに歯が前後しており、
磨きにくい状態となっています。
まず初めにレントゲンを撮影し、
顎の形や位置関係を分析します。

次にお口の中の状態を専用の機器を使って
スキャンします。

資料をもとにコンピューター上で治療計画を立てていきます。

動かしたい歯にアタッチメントと呼ばれる
ポッチをつけることで
歯が動きやすくなります。

最終的にポッチは綺麗に外すので
見た目が気になる心配はありません。
アタッチメントをつけた後はアライナー
(マウスピース)を
患者様にお渡しします。
患者様は、毎日アライナーを装着していただき、
約1週間ごとに新しいアライナーに交換します。

その後、約4週間ごとに診察をし
治療経過を確認していきます。
治療終了後は、歯牙の位置を安定させるために
リテーナー(保定装置)の使用が
必要となります。
先ほどの症例の治療後の写真です。

治療前と後で比較した写真です。


歯並びが綺麗になり、
歯磨きがしやすい環境になりました。
インビザラインiGo
費用 49万5千円
デメリットとして1日20時間以上マウスピースをつける必要がある。