2018年12月11日
今回は、詰め物が割れて外れてしまった歯の治療を行いました。下の写真は治療前のものです。中央には白い詰め物治療がされた歯が写っていますが、右側の部分が割れて無くなっています。このように割れてしまう原因として、『詰め物自体の硬さ不足』、『詰め物の厚みが足りない』、『接着していない』、『噛み合わせの力が強くかかりすぎた』、『精度が悪い』などが考えられます。歯科では様々な材料を使用します。一つ一つ特性が違うため、その材料にあった処置を行わなければトラブルの元になってしまいます。
今回は、残っている詰め物も全て外し、ダイレクトボンディングにて治療を行っていきました。詰め物を外すと中に虫歯は無いように見えますが、左側の歯との隙間が少し黒くなっているように見えます。
虫歯検知の染色液で確認すると歯との隙間から虫歯になっていました。左側の歯も一部虫歯になっていたので同時に治療を行います。ダイレクトボンディングは型取りを行わず直接歯にコンポジットレジンという樹脂を接着させる治療法です。
緑色のラバーダムシートをお口にかけて治療を行なっています。コンポジットレジンを歯に接着させるためにいくつかの処理を行い歯の形を作っていくのですが、歯の表面に呼気や唾液が付着すると接着が邪魔されます。それを防ぐためにラバーダムシートをつけてお口の中から歯を隔離する必要があります。
コンポジットレジンの硬さは歯とほぼ同等の硬さを持ち合わせています。噛み合わせの調整を適切に行えばほとんど外れたり割れたりする心配はありません。少しずつすり減ることはありますが、部分的に修復を行うことが可能です。隙間や段差がないため、審美的にも問題ありません。
ダイレクトボンディング
費用7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月22日
今回は前歯の詰め物のやりかえ治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の二本の歯には詰め物治療をした跡があります。しかし、詰め物の形や色が不自然で目立ちます。
まずは歯の型取りを行い模型を作ります。模型に茶色いロウを盛り足していき、理想的な歯の形を作っていきます。
シリコーンでできた型取り材を模型に圧接し、理想的な形の型どりを行います。できた型を使い治療を進めていきます。
古い詰め物を外したところです。歯と歯の間に大きな隙間ができました。
ラバーダムシートをかけて詰め物治療をする準備をしています。シリコーンの型をあてると隙間があります。この隙間の部分に適切に詰め物治療を行えば理想的な形の歯にすることができます。
治療を行なっている途中です。シリコーン製の型と歯の間に隙間はなくなりました。治療中は詰め物をしっかりと接着させるため歯を乾燥させる必要があります。乾燥により歯は白っぽく変色するため詰め物との間に色の境目が見えますが色が戻ると馴染みます。
研磨、形の修正を行い後日撮影した写真です。色、形ともに自然に見えます。歯の乾燥もなくなったことで境目もわからなくなっています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円×2本
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月16日
今回は、奥歯の治療を行なっていきました。下の写真は治療前のものです。写真中央の歯には銀の詰め物が入っていたのですが、その詰め物が取れています。中は黒い虫歯になっているのが分かります。
虫歯を取っている途中です。歯の中に大きな穴が空いているのが分かります。この穴の中は通常、血液などで満たされているのですがこの歯の場合は中がスカスカになっています。虫歯の部分から菌が繁殖し、神経が死んでしまうとこのようにスカスカになります。このままにしておくと、歯の根の先で菌がさらに増え膿の袋を作ることがあります。そうならないためにも根の治療が必要です。
根の治療を行なっているところです。根の治療中、穴の中に唾液などが入っていくと治療を進めているのですが菌が入り込むため治らないということがあります。そうならないためにも治療中はラバーダムシートを使う必要があります。緑色のシートがラバーダムシートです。このシートを歯の周りに固定すると唾液、呼気が歯に付かなくなります。この状態で治療を行うと菌が入り込むのを防ぐことができ、予後は良くなります。
根の中に薬を詰めました。ピンク色の部分が薬です。この薬を緊密に入れることにより、菌が活動するのを防ぎます。
根の治療があ割ったので歯の形を作っていきます。今回はダイレクトボンディングという方法で治療を行いました。歯に接着する樹脂を使用します。型取りを行わずに直接樹脂を盛り形を作るので、歯を極力削らずに治療を進めることができます。
歯の形を整え終わったところです。ラバーダムシートを外して噛み合わせの調整、研磨を行います。
治療後の状態です。歯の形、色も本物の歯に近くなっています。隙間や段差はないため治療前のように虫歯になる可能性は低くなっています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年11月13日
今回は、前歯の治療を行いました。下の写真は治療前のものです。写真中央の前歯二本は、他の歯と見比べると短いように思えます。この二本の歯に治療を行いました。
今入っている被せ物を外しました。大きな虫歯にはなっていませんでした。
外した被せ物の代わりに仮歯を作成しました。まだ歯は短いままです。
治療のゴールとなる模型です。前歯二本にロウを盛っていき、理想的な形を作っています。この形に近づけるために今回はクラウンレングスニングという治療が必要になりました。
先ほどの模型から、透明の歯を作成しました。
青い線が理想的な歯の形のラインです。このラインまで歯茎を下げる必要がありますが、単純に歯茎を切り取るだけでは歯の周りの組織のバランスが崩れて腫れが治らなくなります。歯の周りの組織のバランスを保つためには歯茎の中の骨の形も整えなければいけません。このような治療をクラウンレングスニングと言います。
歯茎に透明の歯を被せて、理想的な歯のラインにメスを入れました。
歯茎を切り開き、中の骨が見えるようにしています。理想的な歯のラインと骨の位置関係が適正になるように形を整えます。
骨の形を整えました。歯のラインと骨の位置関係も適正な関係になっています。
仮歯を戻したところです。歯茎のラインは下がっているため仮歯には隙間があります。
歯茎の傷が治り、仮歯の修正を行いました。修正により歯の短さは改善しています。
最終的な被せ物を作成する前に精密な仮歯を作りました。形の最終確認、修正を行います。
横の歯には小さな虫歯ができていたのでダイレクトボンディング治療を行いました。仮歯を外して型取りし、最終的な被せ物を作成します。
最終的な被せ物と取り付けたところです。歯の短さは改善され見た目も問題ありません。
クラウンレングスニングおよびオールセラミッククラウン、ダイレクトボンディング
クラウンレングスニング
33000円×3本
オールセラミッククラウン
187000円×2本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション、オールセラミッククラウン)
ダイレクトボンディング
22000円×2本
オールセラミッククラウンは、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年11月5日
今回は、歯を抜いた後の治療です。下の写真は治療前のものです。中央の歯の状態は良くないのですが写真で見ただけではよく分かりません。
少し内側から見たところです。歯茎の際のところに出来物ができているのが分かります。
ほっぺた側の方にもできています。
レントゲン写真です。左側が問題の歯です。歯の根の状態を見ると、右側の歯と比べ左側の歯は根の周りが黒くなっているように見えます。根の周りの骨が溶けるとこのように写ります。根の治療がうまくいっていない、根にヒビが入っていたりすると周りの骨が溶けていきます。
根の治療での治癒は難しいと判断し、抜歯を行いました。出血があるため色を変えています。
抜歯した歯です。歯の根自体にヒビが入っており、抜歯中に割れました。歯の神経を取る治療を行うと、写真のような金属の土台をつけて被せ物をすることが多くなります。神経を取った歯は虫歯で痛むことはなくなりますが、歯の寿命は短くなりこのように割れてしまいます。
傷が治りました。この状態で治療を終えると隣の歯が傾いてくる、噛み合わせの歯が伸びてくるなどの歯の移動が起こります。歯が移動すると、噛み合わせが変化し不必要な力が加わるようになり周りの歯も悪くなるリスクがあります。
このスペースに対する治療は一本だけの入れ歯、ブリッジ、インプラントになります。今回は、患者さまと相談しブリッジ治療を行なっていきました。
左右の歯の古い被せ物を外したところです。どちらの歯も汚れが入り込み、黒くなっています。
金属の土台を外しました。まだ虫歯が残っています。
虫歯を取りきり、ラバーダムシートをかけました。歯の土台を直接作っていきます。
白い樹脂を流し込み固めました。左側の歯の虫歯治療も同時に行なっています。
ラバーダムシートを外して形を整えました。
仮歯を作成し、歯茎の形をコントロールします。
仮歯で歯茎を押していくとこのように凹みができます。
型取りを行い作成した本歯を取り付ける前の状態です。
歯茎に凹みを作った部分に本歯がはまりこむようにできています。
このように歯茎の形を整え、その形に合わせた本歯を作ると、抜歯した部分にも歯があるように見え審美的になります。
オールセラミッククラウン
費用 18万7千円×3本(ファイバーコア、プロビジョナルレストレーション含む)
デメリットとして、他の歯が経年的に変色した際にセラミックは変色しないので色の差が出てくる可能性や、硬い材料なので噛み合う相手の歯が削れる可能性がある。
2018年10月27日
今回は見落としやすい虫歯の治療を行ないました。
下の写真は治療前のものです。写真中央の歯には虫歯治療をした後があります。やや、黒くなっているところはありますが大きな問題はなさそうに見えます。
左側の歯との隙間を削っていくと、中は黒い虫歯になっていました。目や写真で確認するだけでは見落としてしまうかもしれません。レントゲン写真と見比べていくことで見つかる虫歯もあります。
虫歯の部分、古い治療の部分を取りきりました。
左側の歯も確認すると、小さいですが虫歯になっていました。この部分も同時に治療していきます。
緑色のラバーダムシートに穴をあけ歯だけが出るようにします。こうすることで呼気や唾液が治療部位に付着するのを防ぎます。
歯と歯の隙間の形は、セロハンの膜を歯に沿わせて型を作ってから修復します。
歯の形を作り終えたところです。歯は乾燥すると色が白っぽくなり、治療した部分との境目が少し目立ちます。
治療後、歯の乾燥がなくなると、色も馴染みほとんどわからないようになります。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年10月22日
今回は、奥歯の銀の詰め物を外しダイレクトボンディング治療を行いました。
下の写真は治療前のものです。奥の歯二本には銀の詰め物が入っています。
まずは手前の歯の詰め物を外していきました。大きな虫歯にはなっていませんでしたが、詰め物との間に隙間があったせいか黒い汚れが入り込んでいます。入り込んだ汚れは詰め物を外さない限り取り切ることはできないため、この状態を放置しておくと虫歯が広がっていきます。
黒い汚れ、表面の虫歯を取り除きました。ここから歯に直接白い詰め物を接着させていき歯の形を回復していきます。
歯の形や凹凸、色を再現していきます。直接歯に接着しているため歯と詰め物の間に隙間はありません。
手前の歯の治療後です。奥の歯も同じようにダイレクトボンディング治療を行なっていきました。
奥の歯の銀の詰め物を外したところです。手前の歯よりも汚れている範囲が大きいように見えます。
表面の汚れを取りきり虫歯検知液を使用しました。ピンク色に染まっている部分は虫歯になっています。詰め物の隙間から汚れが入り込んでしまったのが原因なのですが、再度銀の詰め物治療を行なってもまたこのように虫歯になる恐れがあります。再治療を繰り返すと歯を削る量は多くなっていき歯が悪くなりやすくなります。
虫歯を全て取りきりました。虫歯検知液を使用してもピンク色に染まる部分はありません。
ダイレクトボンディングを行いました。
噛み合わせの調整を行い、磨いたところです。どちらの歯も特に問題はありません。この歯に再治療が必要になる可能性は低くなっています。審美性も改善しています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年09月22日
今回は、セラミックの被せ物で歯の形を回復していきました。
下の写真は治療前のものです。中央の歯は下半分が大きく欠けているのが分かります。以前、被せ物治療がされてあったのですが外れてしまいこの様になっています。
ピンク色の虫歯染色液を使い、虫歯の部分だけを染め出しました。黒い部分はあまり染まってはおらず、一見虫歯には見えない白い部分がピンク色に染まっているのが分かります。
ピンク色に染まった虫歯の部分だけを取りきりました。黒い部分は残っていますが、虫歯ではないので取り除く必要はありません。
緑色の膜をお口にかけて、呼気や唾液が歯の表面につかない様にしています。
この状態で歯の形を整えるため、ダイレクトボンディングを行います。歯の表面に直接樹脂を接着させる方法のため、緑色のラバーダムシートで歯を乾燥させる必要があります。
ダイレクトボンディング後は、歯の形を削り整えます。
型取りを行う前に歯の色合わせを行ないます。周りの歯の色を参考にして行います。
型取りしたものの写真です。黄色と紫色の二つの型取り材を使用し、精度の高い型取りを行います。
型取りを元にできた模型です。
この模型にあう被せ物を歯科技工士さんに作っていただきます。
できた被せ物を取り付けしたところです。見た目、精度とも問題なくできています。
セラミックオンレー
費用16万5千円
リスクとして歯を削る量が多いため痛みが出る可能性と強い力によって割れる可能性がある。
2018年07月28日
下の写真は治療前のものです。
写真中央の歯は銀の詰め物が外れてしまっています。中をよく見ると黒っぽい虫歯になっているのがわかります。
外れてしまった虫歯をお口の中に戻したところです。この状態からは銀の詰め物の下では虫歯が広がっているとは分かりにくいです。今回たまたま詰め物が外れて虫歯を発見できましたが、隣の歯の詰め物の下も同じような虫歯になっている可能性があります。
詰め物を外して虫歯を取り除いたところです。虫歯だけが染まる染色液を使い取り残しがないようにしていきます。
虫歯をとり終えると、緑色のラバーダムシートをお口にかけていきます。治療部位が見やすくなるだけでなく治療の精度も向上します。
歯の形を回復するためにセロハンの膜や楔を使います。これらで作った壁に沿ってコンポジットレジンという白い樹脂を流し込んで固めます。
歯の形ができました。ここからはラバーダムシートを外して、噛み合わせの高さの調整、研磨を行います。
治療後の写真です。左右の銀の詰め物は歯と詰め物の間に段差や隙間がありますが、今回治療した歯にはありません。治療跡から汚れが入り込む心配もないので左右の歯と比べると悪くなりにくくなっています。
ダイレクトボンディング
費用5万5千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。
2018年05月26日
今回は、二本の歯のダイレクトボンディング治療を行いました。下の写真は治療前のものです。一番奥の歯には銀の詰め物治療がされています。手前の歯には白い詰め物が入っているように見えます。
まずは、奥の歯の銀の詰め物を取り除いていきました。大きな虫歯はないように見えます。
角度を変えて手前の歯との隙間を確認しました。手前の歯は虫歯になっていました。
手前の歯の白い詰め物を取り外していきます。下には黒くなった虫歯が見えます。
詰め物、虫歯を取り除きました。虫歯染色液を使用し、取り残しがないことを確認しています。
通常の銀の詰め物治療とは異なり、ダイレクトボンディングは型取りを行わない治療法です。基本的には一回の治療で終了します。虫歯除去後は緑色のラバーダムシートと言われる幕を歯にかけていきます。このシートを使用することにより治療部位が見やすくなるだけでなく、唾液、呼気が歯に付着しなくなるため治療精度が向上します。
歯の形を再現するため、様々な器具を使用します。この形に直接詰め物治療を行なっていきます。
奥の歯の形を整えた後は、同じように手前の歯の治療を行います。
使用する詰め物の色も歯の色に似たものを使用しています。治療中は歯自体が乾燥し白くなっているため色の違いが少しわかります。
後日確認した時の写真です。歯の色も元に戻っているため、詰め物との境目も目立ちません。直接詰めていく方法なので、小さな隙間はできにくく治療箇所から虫歯になる可能性は低くなっています。
ダイレクトボンディング
費用6万6千円 7万7千円
リスクとして欠ける可能性がある(修復可能)。